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マキアヴァリ「君主論」中央公論社p.87
11 教会国家について
こうした国のむずかしさは、いずれも国を手に入れるまでにある。
力量virtuまたは運fortunaによって、国を手に入れてしまえば、
維持する段階ではもはや両者のどちらも必要とはしない。
~こうした国は、宗教に根ざしたきわめて強力な特色のある古い制度に支えられているから、
君主がどんな態度で生活しようと、活動しようと、国は維持されるからである。
こうした国のみが防衛を必要としない国土をもっており、臣民についても治める必要がない。
国土は防衛が手薄だからといって奪い取られることもなく、
臣民もまた統治されていないことに関心を持たない。
彼らは君主に背くことも考えないし、その力もない。
したがってこうした君主国のみは安泰であり、またしあわせそのものである。