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ハイチ共和国 - 連山
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権力を掌握した、かつての奴隷たちは、白人を大量に殺した。
生き残った白人は、国外に逃げた。これにより、ハイチは、プランテーションの技術者を含む人的資源を失った。
フランス人が作ったプランテーションを解体し、それを小さな自営農場に分割して、独立闘争の兵士たちに与えた。
これにより、ハイチは、輸出競争力のある商品作物の生産能力を失った。
ハイチ革命は、毛沢東による大躍進やポルポトによるクメール・ルージュの革命に似ている。
支配者階級や知識人を殺害ないし追放し、自給自足的な農業により共同体を自立させようとする試みが、
飢餓しかもたらさないということは過去の実例を見れば明らかだ。
リカードの古典的な分業論を援用するまでもなく、
それぞれの経済主体が比較優位のある産業に特化した方が全体の生産性が向上するし、
富者のみならず、貧者までもが利益を得ることができる。
ハイチの奴隷たちは、自分たちを酷使した主人たちを殺害ないし追放し、
奴隷制の忌まわしい思い出であるプランテーションを破壊し、プリミティブな自家消費的農業を始めた。
道路が消滅し、都市が農村から孤立した。
生産効率が低いため、彼らは森林を伐採し、農地を拡大したが、森林伐採は土壌流出をもたらし、土地を不毛にし、生産性を下げた。
農民は、生産性の低さを農地の拡大で補おうと、さらに森林伐採を続けた。この悪循環により、ハイチの土地はどんどん貧しくなっていった。
もしも、賠償の対象となったフランス人の資産を破壊せずに、有効に活用していたならば、今頃、西半球一の最貧国にならずにすんだであろう。