09/05/15 23:23:38
というわけで、>>368-390の訳文。
杉山センセの『モンゴルが世界史を覆す』(日経ビジネス文庫、2006年3月1日、335頁)に
載っている東大寺蔵「蒙古国牒状」の訳文をベースに適宜字句を補いつつこの国書の訳を載せてみる。
やっつけ仕事なので至らぬ部分もあるだろうけど、そこはどうか寛恕願いたい。
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1) 上天(テングリ)にいつくしまれた
2) 大蒙古国(イェケ・モンゴル・ウルス)の皇帝(カアン、つまりクビライのこと)は信書を
3) 日本国王にたてまつる。私がおもうに、古から小国の君は、
4) 領土がたがいに接していても、それまでも講信修睦つまりまことを語り合い、ならい親しみあった
ものである。まして、
5) 祖宗すなわちチンギス・カン以来の我らの歴代は、天の明らかな命令を受けて、区夏(華夏の区域の
意味で、 中国全土=天下)を奄有(ことごとく有すること)し、
6) 遐方(はるか遠方)の諸国も、威を畏れ徳に懐くものは数え切れない。私は即位
7) のはじめ、高麗のつみなき民が長い鋒鏑(いくさ)につかれているので、
8) すぐに兵をやめて領土を返還し、旄倪(老若)をかえすようにさせた。
9) 高麗の君臣は感戴(恩を感じて尊奉すること)して私のところへやって来た。名義上では