09/07/24 23:00:40
太平の眠りを覚ますジョウキセン たった四ハイで夜も眠れず
嘉永6年(1853年)病床の将軍家慶に代わり京都からの勅使に
対応していた老中阿部正弘は驚いていた
「なんと、異人と和して国を開くのではなく、夷敵と戦えと?」
「左様、それがミカドの御意思でおじゃる」
「しかし、江戸湾に居るペルリ提督の船を見るに、我が日本の
武器が果たして通用するのか?」
「幕府・諸大名が結束し、一致団結して事にあたれば、鬼神も
これを避くと・・・」
「そのような精神論で、イクサは出来申さぬ」
「ミカドはあの船に乗り込み、上帝の御使者殿と話をされて、
その意に従うことをご決断されたのじゃ。そして既に主だった
諸大名には攘夷の檄が届いておる」
「早まったことを・・・」
「何の恐れることがあろうか?上帝の御使者殿は紛うことなき
竜神様におじゃる」
その日、日本全土を朝廷と幕府の手で間接支配の下においた
カレルレンは、御所の上空2000mに滞空していた船をゆっくりと
移動させ始めた・・紡錘形をした銀色の巨大な機体が東海道を
威圧しつつ、江戸の空に向かって・・・