09/01/13 23:39:50
>>285
本土から遠く冬には流氷で閉ざされてしまう環境なので、基地を構築すること
そのものがとても難しい。
ソビエトは莫大な予算と手間をかけて本格的な各種基地を設営するだけのメリットがないと
考えていた。
確かに千島(クリル)諸島を押さえておかないと、オホーツク海を自国海軍にとっての
「聖域」にできないが、膨大な予算と手間をかけて守らねばならないような何かが
オホーツク海沿岸やサハリンにあるわけでもなし。
潜水艦発射弾道弾の射程が向上して北極海を「聖域」にできるようになると、ますます
軍事的な意義は薄れることになった。
また、日本人からだとなかなかその感覚がつかめないが、仮にソビエトの方から
考えた場合、クリル列島に大兵力を配置しても、容易に補給路を遮断されて孤立
させられ、北海道から一気に攻め込まれて退路のないまま全滅する可能性がある。
その「敵に近すぎる」立地は、大兵力の配置拠点としては、はなはだ不安な地域
だった。
この辺の事情はソビエトがロシアになっても変わらない。
なので今でもあの諸島域は軍事的には「半分捨てられた」場所のまま。