09/08/05 01:15:57
国交省/大型船対応の港湾整備へ仕組み再構築/パナマ拡張で変わる世界の物流
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(略)
パナマ運河拡張計画の最大工事である第3閘門の建設をスペインのサシール・
バリェエルモソらの企業連合がこのほど落札。拡張事業は14年の完成に向け
工事が大きく動き出そうとしている。完成すれば、パナマ運河を通過可能な船の
サイズは、長さ294メートル、喫水12・0メートル未満の4500TEU(20フィート
コンテナを4500個積める大きさ)積みから、長さ366メートル、喫水15・2メートル
未満の1万2000TEU積みへと一気に大型化する。
世界の物流は大型船による大量輸送時代に突入するが、日本の産業港湾は
最高でも水深12メートル程度。パナマックス船でさえ貨物満載では入れず、沖合で
荷物を減らしたり、満潮を待って入港したりする工夫を凝らしている。国交省は
09年度補正予算で、次世代高規格に対応した国際海上コンテナターミナルの
整備に96億円を計上したが、すべての産業港湾インフラの刷新にはばく大な
費用を要する。特定のユーザーが負担金を拠出して整備を進めるエネルギー
港湾・鉄鋼港湾制度もあるが、多額の費用負担が予想されるため、10年度
予算以降の概算要求に合わせて、産業港湾インフラの刷新に向けた仕組みを
再構築することにした。
既に、韓国や中国などは大型港湾の整備を積極的に進めており、国際競争に
負けて日本国内でものづくりを進めるメリットが失われれば、国内産業が
疲弊し、国力が大幅に低下することにもなりかねない。こうした点も視野に、
特定のユーザーや地元に過大な負担金を求めることなく、大型船に対応した
港湾整備が進められる新たな仕組みを制度化する考えだ。