08/05/20 20:51:39
戦史叢書 「大本営海軍部・聯合艦隊(2)」
p.308 『聯合艦隊のハワイ、セイロン島攻略案』 より抜粋
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開戦の翌日、すなわち12月9日、同長官(※山本五十六)は幕僚に対し、ハワイ攻略とセイロン島攻略の研究を命じた。
ハワイ攻略はかねて同長官が口にしていたことであった。
同長官は直ちにハワイ攻略に進みたいが、航空兵力の現状ではハワイの米航空兵力の制圧はむずかしく、
攻略は無理と考え、所要航空兵力の整備を間に、セイロン島攻略作戦を行い、西正面の戦略態勢を整えておいて、
ハワイ方面の作戦に専念しようとした。同長官がセイロン島攻略作戦の目的としたのは、セイロン島攻略により
印度洋にある英艦隊を誘出してこれを撃滅するのが主で、かねてセイロン島を確保して西方の戦略態勢を整え、
印度の独立を促進し、援蒋補給路の遮断を図るものであった。
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p.317 『ハワイ攻略の意義と問題点』 より抜粋
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このハワイ攻略案に着想した山本長官の主目的は、前章既述とおり、同諸島を攻略し、米艦隊を撃滅し、
米国民に甚大な精神的被害を与えて戦意を喪失させ、戦争終末の切っ掛けを作ろうとするものであったようである。
同長官には同諸島を長確保の考えはなかったとみるべきである。
しかしこの攻略作戦は遠く敵の最重要拠点に対し行うものであったので、実施には大きな問題があった。
その最たるものは、ハワイにある敵航空兵力の制圧と、同時に生起を予想される艦隊戦闘であるといえる。
<←引用終わり>