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He177が双子エンジンの双発になったのは、1936年にA爆撃機計画(爆弾1トンを搭載
して航続距離6000km・最高速度540km/h)として要求されたことにある。
当時、ドイツで実用化の目処が立っていた最大出力のエンジンは、1000馬力級の
DB600/601だったが、A爆撃機計画の性能を実現するには2000馬力級四発機が必要と
見積もられ、エンジンが存在しないという事態に直面していた。
そこでハインケル技術陣が注目したのが、ちょうど同社で試作が進行中のHe119に
搭載する予定のDB606だった。
DB601を二個一にしたDB606は、2500馬力を発揮すると見込まれ、DB606の双発ならば
主翼は四発よりクリーンな状態で良好な空力特性を発揮することになり、大直径
プロペラと組み合わせれば、A爆撃機計画の性能を達成できると考えられた。