08/12/31 03:08:02
F-1 「そこまで事態は深刻になっていたのか…しかし今はミサイルの破壊が先決だ。(異世界機に向かって)
我々の目的はこの先の設備にある、君たちと戦うことじゃない。悪いがそこをどいてくれないか」
Su-47J「ここから先へは通さんと言ったはずだ。警告に従わなければ…一機残らず落ちてもらう!」
編隊を解き、一斉に襲いかかるロシアベースの次世代型日本戦闘機たち。
F/A-18E「くそっ…!こいつらちゃんとした訓練を受けていやがる、館山沖の連中とは訳が違うぞ!」
XFV-14B「(空自機に向かって)ここで全機空戦に入っても埒が開かない。海兵隊機の一部を支援に回すから、
お前達は先にミサイル設備に向かうんだ。俺と残った連中でこいつらを食い止める」
F-4 「すまない……よし相棒、花火の中に突っ込むぞ!」
Su-35J「待て、逃がさんぞ!」
XFV-14B「おっと、お前たちの相手はこの俺だ!」
待機中の陸海軍機の下にやって来た零戦先輩。
零戦 「どうだ、基地内で何か進展はあったか?」
紫電改「遅いじゃないですか先輩。もうとっくに月光先輩も日米合同部隊もそれぞれ突入してますよ」
零戦 「こう見えても俺は忙しいんだ。何しろ未来の指導者にこちらの状況を逐一知らせたり、
逆に向こうからの指示を受け取ったりと色々やらなければならない事があるんでな…」
紫電改「雷電に続き先輩まで…この前の館山辺りから様子がおかしいとは思っていたけど、みんな怪電波にやられて壊れて
……痛っ!!殴ったね!姉貴たちにもぶたれた事あるけど」
零戦 「呑気に構えてる場合か!いいか、今この国は戦争続行どころじゃないぐらいの危機を迎えているのだぞ!
時代も国も組織も越えて一致協力しないと乗り切るのは困難な程にな。そして皆が力を合わせて立ち向かい、
にも拘わらずどうにもならない事態に陥ったら…その時は最後に残された砦として、お前が切り札となるのだ。
来るべき時に備えて今から力を蓄えておけ」
紫電改「いきなり切り札とか言われても…できればその前に解決してくれないかな」
そんな紫電改を無視して陸軍機に語りかける零戦
零戦 「そうそう、日米合同部隊が今ミサイルを破壊しに向かってるそうだが、その先に異変を察知してな。それを知らせに来たんだ」
隼 「…何!?詳しく聞かせて貰おうか」
945:名無し三等兵
09/01/12 02:39:08
圧縮が迫っているのでスレを保守する姉たち。
紫電「一式陸子の連載小説はどうなったのかしら?」
強風「とりあえず現行パートは大分形になったみたいだけど、
まだつぎはぎ状態で投下はもう少し先ですって。
そうこうしている内に立て続けに任務が入って
しばらくは原稿に取りかかれないようね」
946:名無し三等兵
09/01/22 05:31:08
>>943
格納庫の片隅に無造作に積まれた、資材の物陰から話しかけてくる屠龍の声。
(声)「…覚えているか?俺が格納庫を僚機に取られて途方にくれていたら、お前がこっそり自分の格納庫に招き寄せて
寝場所を提供してくれた時のことを」
月光「ああ、そんな事もあった。何しろ共に夜間任務というのもあり、他人事には思えずつい放っておけなかったからな…」
(声)「その時から組織の枠を越えた俺たちの交流が始まった。それまで海軍機は無能な連中ばかりと思っていたが
お前だけは違った。ある時は偵察機、ある時は夜間戦闘機、またある時は後継機を育成する母親的存在と、その名の示す通り
月が満ち欠けていく様に属性を変えていく、しかし献身的なまでに勤勉で情に厚いという本質はいつも一緒だ。
いつしかお前は俺にとって、何物にも代え難い、無二の親友となっていった。お前が目の前から消えてしまう事を
俺は一番恐れている。たとえこの国が滅びようと、他の全てを犠牲にしてでもお前だけは失いたくないんだ…」
月光「屠龍、私たち兵器はつまるところ人の手によって作り出された道具だ。道具である以上必要に応じて改良を施され、
いずれ寿命もしくは必要とされなくなる時が来れば役目を終える、そういう定めじゃないのか?」
>>944
降り注ぐ銃弾の雨 交錯する銀色の矢
異世界より派遣された鋼の鳥たちは、ミサイル発射地点近くの丘の上で尚も戦いの舞踏を続けていた。
そうした中、XFV-14Bの奮戦によりロシア型日本機は数を減らしていく。
Su-35J「馬鹿な!性能や数では我々が上回るはず…」
Su-47J「並の機体には真似できない機動性…あのVTOL機は化け物か!?」
XFV-14B「確かにお前たちは選りすぐりの精鋭なんだろう、だが『ロシア語で考え』たらどうという事はなくなった」
Su-35J「貴様、よくもぬけぬけと!こいつさえ倒せれば後は雑魚ばかりだというのに…」
A-4E 「蝶の様に舞い、蜂の様に刺す…か」
AV-8B+「それってアリって奴の戦法だっけ?でも空飛ぶ蟻なんてアリ得ないよな。
蟻が空を飛んだら蜂の立場がないじゃん、なあ海軍の忠犬ハチさんよ」
F/A-18E「(脱力)…根本的にお前は色々間違ってるから、これ以上喋らない方がいいぞ」
その間にもまた一機、戦闘不能に追い込まれていくロシア型日本機勢。
947:名無し三等兵
09/01/22 05:32:13
XFV-14B「無駄だ!もうお前たちの動きは完全に見切ってる。それにこっちには心強い背後霊もついているしな」
FSX-90(声)『おいおい、もっとましな呼び方があるだろ…地縛霊とかさ』
XVF-14A(声)『(ボソ)それ言うなら守護霊とか英霊…』
しかし一方の米海兵隊機も、決して余裕の状態ではなかった。
F/A-18E「たった今母艦から入った連絡によると、米海軍第7艦隊がハワイ方面に総出撃したらしい。
パールハーバー基地に設置された弾道ミサイル装置を破壊するためにな」
A-4E 「となると、あと一つ残った東アジアのミサイルは、俺たちで始末しろと…」
F/A-18E「だな。さて、いつまでもここに長居している暇はなくなったぞ」
A-4E 「できればこっちの損害が少ない内にさっさと停戦に持ち込みたい所だが…
あいつら次から次へと湧いてきやがる、いくら倒してもきりがねえ」
XFV-14B「あの魔方陣みたいな円形広場、時折光ってるあそこから現れているのか」
光と共に円形広場から新たに出現した一機の戦闘機、それにより周囲の空気が一変する。
F-3C 「当初の予定ではとっくに敵勢力を殲滅させているはずだが…一体何を手間取っている?」
Su-35J「ど…同志!申し訳ありませんっ!」
Su-47J「我々の理解の範疇を超えた機体が一機混じっておりまして…どうかお許しを」
XFV-14B「ついに敵の総大将がおいでなすったか…俺は通称『スーパー・ゼロ』、あんたは見たことねえ機体だが?」
F-3C 「我が名はF3-C…『ファイアー・フォックス』と呼ぶがいい」
XFV-14B「では、MiG-31のもう一つの姿か?」
F-3C 「そういう題材の物語もあったな…だが、一方では君の兄弟機になる予定でもあった」
XFV-14B「俺の兄弟…何言ってやがる?今度は心理作戦かよ」
FSX-90(声)『思い出した、確か初期のFSX案の一つにそんなの形の機体があったな。俺と違って想像図だけで終わっちまったけど』
F-3C 「いずれにせよ、ほとんど顧みられる事なくこの世界から姿を消した私は新たな世界で甦り、
戦闘機の頂点に立つまでに至ったのだ」
XFV-14B「まあいい、前置きはそのぐらいにしてそろそろ聞かせて貰おうか。あんた等がこの世界にやって来た目的をな」
F/A-18E「おおかたソ連の配下で社会主義体制にある日本を消されない為にやって来た、そんなとこだろうけどよ」
948:名無し三等兵
09/01/22 10:54:57
5行以上のレスは読む気にならない紫電改
正月での餅太りで動く気にならない雷電
949:名無し三等兵
09/01/22 17:20:43
スレが残り少ないので節約しています(さっさと書かない自分が悪いのですが…)
何か意見や苦情などありましたら
スレリンク(army板)
までお願いします、本当にすいません…
早速戦場で大ポカをやらかして再起不能の一式陸攻
950:名無し三等兵
09/01/31 00:04:11
-702/702
着底記念を書いてみる紫電改。
951:名無し三等兵
09/01/31 18:54:37
-707/707
「しかし、ここは潜水艦スレじゃないだろ」
と突っ込みを入れる零戦先輩。
952:名無し三等兵
09/02/01 00:47:42
-710/710
懲りずに限界を探る紫電改
953:名無し三等兵
09/02/01 05:45:44 THh/A8fR
>>946
(声)「まあ結局、俺たちの運命はこの国と表裏一体なんだろうな…このまま戦争が続いたらどうなると思う?
来たるべき本土決戦に備えて国内に残ってる飛行機は特攻兵器に流用されるだろう。そうなったら今まで以上に
多くの命が失われることになる。それでも軍の統制が取れている内はまだいい、万が一日本の全面降伏という最悪の
結果が訪れたとしたら?おそらくは研究実験対象として一部は持ち去られるとしても、二度と立ち向かう事の無い様にと
敵側は見せしめにこの国から戦いの道具を取り上げ、片っ端からゴミ屑同然に処分していくのは容易に想像がつく
…分かるか?日本が滅びたら今まで俺たちが死に物狂いで行ってきた戦いが全て無駄になってしまうんだぞ。
そんなの耐えられると思うか?」
月光「…それでも、たとえ最後は無惨に打ち捨てられたとしても、人々の記憶に残っている限り、その道具としての兵器は
確かにこの世界に作り出され存在した意義がある、少なくとも私はそう思っている」
(声)「…実際、未来の日本には俺たちにまつわる資料はあまり残されていないんだろうな。だからこそ何かのきっかけで過去の
兵器に興味を持った向こうの連中が、歴史改変に乗り出したに違いない。だが正直奴等のやり方には失望させられた。
海軍側に肩入れしたからとかそれ以前の問題で、この世界の背景や組織の成り立ちを全く分かっていない。歴史改変の
重さをこれっぽっちも深く考えずに、過去の航空機や艦船をもっと見てみたいとか、その程度の認識しかないんだろう。
そう言えば任務の合間を縫って現地での家族ごっこにうつつを抜かしてる愚か者もいたな。足繁く通うのもほんの一時で、
その内任務が一段落して元の世界に帰ったら、残された家族の事なんかどうでも良くなるだろうな」
月光「…屠龍、それは違う。夫はそんな薄情じゃない、あのひとを悪く言うのはやめておくれ」
(声)「お前を子供たちから引き離した時は流石に血相を変えていたが…それだって家族の心配よりも、ここと未来の架け橋とも
言える兵器たちを失うのを恐れたという身勝手な理由だろうよ。所詮、アメリカの顔色を伺いながら行動している子孫共に、
俺たちがどんな思いで戦ってきたかなんて、理解できる訳がないんだ!!」
月光「…屠龍!!」
954:名無し三等兵
09/02/01 05:46:33
>>947
F-3C 「君たちがどんな世界を思い描いているか知らないが、少なくとも軍事技術が高度に発達した世界とだけ言っておこう」
A-4E 「どの道軍需産業が盛んな世界なんてろくなもんじゃねえな」
F-3C 「そうか?少なくとも我々兵器にとってこの上なく恵まれた環境ではあるぞ。一度開発された兵器は必ず何らかの形で
有効活用され、持てる力を余すところなく発揮できるのだからな。役目を終えた兵器たちのデータも半永久的に保存され、
次なる開発への足がかりとなる。それだけではない、元の世界で行き場を失った、或いは単に迷い込んだ異世界の兵器たちの
保護受け入れも積極的に行なっている」
F/A-18E「異世界の兵器…?ってもしや館山沖で襲いかかってきた連中もてめえ等の差し金だったのか!?」
F-3C 「人聞きの悪い…確か自分たちの世界を守ろうと早合点して出向いた者たちが一部いたのは事実だ。
だがここでの事象が彼らの住む世界には何ら影響を与えないと説明したら、各々納得して帰っていったよ」
XFV-14B「世界は一つじゃなく複数存在してる?じゃあ俺たちが今までやってきた事は…」
F-3C 「無数の平行世界が多次元にわたって存在している中、世界間で大規模な介入や衝突が起こらない限り、ある世界の出来事が
他の世界に影響を与えることは稀だとされている。まあ君たちの場合は時代を越えているものの同一世界における干渉だから、
少なくともこの世界の中では何かしらの結果は出るだろうがね」
XFV-14B「ああ~もう訳分かんなくなってきた!!俺たちが知りたいのはそんな小難しい理論じゃねえ、何でここにやって来たのかを
聞いてるっつーの」
F-3C 「我々が来た理由は…他でもない、この時代から悪しき勢力を駆逐して欲しいという日本軍機の要請があったからだ」
「「「へ……???(一同呆然)」」」
F-3C 「連合軍の手下となった60数年先の子孫が、勝手に自分達の都合の良い様に歴史を改変しようとしている。
抵抗を試みたものの圧倒的な技術力を持って捻じ伏せ様とするばかりか、宗主国にまで泣きついて助けを求めてきたから、
それに対抗するため我々の力が必要とされた、要約するとそういう事だ」
XFV-14B「( ;゚д゚)ポカーン えーと、どこをどう突っ込めば良いやら…」
955:名無し三等兵
09/02/01 05:47:29
F-3C 「平行世界における紛争の調査及び調停も任務の一つであるからな。事態を重く見た私は要請のあったこの時代の軍用機と
契約を結び、彼が用意した時空ゲートを用いて戦闘機部隊を派遣したのだ。無論、それなりの対価を向こうにも要求する
つもりではあるがね」
XVF-14A(声)『…さっきから聞いてりゃ、今までの経緯をろくに調べもしないで一方的な言い分を鵜呑みにしてるんだな。
平行世界の調査調停部隊とか偉そうな肩書の割に、ずい分とお粗末なもんだぜ』
F-3C 「む…?スーパー・ゼロの機体から聞こえてくる声としては、今までと幾分様子が違うな」
FSX-90(声)『おっと、紹介が遅れたが俺は“ネオ・ゼロ”、あんたのもう一つの姿といえば察しがつくだろう。先ほど話しかけた
“オールド・ゼロ”と共に今は訳あって弟分の機体に宿ってる。それはさておき、俺たちもここに至るまで色々あったけど、
今は一致協力して歴史を元の状態に戻そうと懸命に活動している、これだけは確かだ。現にこの陸軍飛行場の先にある
ミサイル設備だって、ちゃんと基地所属機体の許可を貰って破壊しに行くところだった。嘘だと思うんなら一足先に
向かった自衛隊機に聞いてみな』
F-3C 「ミサイル…?そう言えば未来勢力の戦意を挫くのに最も効果的な武器はないかと要請者から助言を求められた時、
こちらからの回答がまさしくそれであったな」
FSX-90(声)『ついでに言うとあんた方に要請した陸軍戦闘機、そいつもここの所属なんだが、かなりの曲者だぜ。何しろ強力な
催眠術で仲間を洗脳して内紛を起させかけたりとか、ミサイルでこの時代の米軍基地を一つ潰したけど、仲間たちは敵戦力が
減って喜ぶどころか今度は国内が狙われるんじゃないかと、逆に危惧しているぐらいだ』
XVF-14A(声)『もう分かっただろう?一連の騒動はその陸軍機の暴走に因るところが多く、あんた等も嵌められかけたって事だ』
F-3C 「ふむ、自前の時空ゲートを用意できる位だから、相当の能力者と見込んでいたが…現地の他の軍用機達からも事情も聞いて
みる必要があるな。いずれ調査が進めば事実が明らかになるであろう。時にスーパー・ゼロ、零戦の名を受け継ぎし者よ。
先ほどの立ち回りは実に見事だった。私の配下に な ら な い か ?」
956:名無し三等兵
09/02/01 16:14:38
M4シャーマンに変形できる紫電改
リリカルなのは第3期の25話で二式大型飛行艇を撃墜する紫電改
957:名無し三等兵
09/02/01 16:15:09
山本五十六を殺す紫電改
958:名無し三等兵
09/02/02 00:25:35
>>955
XFV-14B「…(゚Д゚)ハァ? そんな胡散臭い集団にホイホイついていくほど、俺はおめでたい性格じゃないぜ」
F-3C 「最初は戸惑うかも知れないが、新天地に移住したどの兵器たちも、元の世界を忘れるほど幸福に暮らしている。
見たところお前は正式採用された機体ではなく、あくまでも実証機に過ぎない。
遅かれ早かれその存在を疎ましく思う者たちが行動を起こすだろう」
XFV-14B「知ってる。空軍とか空軍とか空軍は海兵隊が高スペックの機体を所有してるのを面白くないみたいだな」
F-3C 「その身に宿っている今は亡きお前の兄弟も、機体を完全復元させた上で共に歓迎しよう。
抹殺の恐怖に脅えることもなく兄弟水入らずで暮らせるのだぞ」
XFV-14B「生憎だが今の部隊が偉くお気に入りなんでな。離れるつもりはさらさらないぜ」
F-3C 「…では力ずく以外に説得させる方法はないのだな。この一帯を焼き払ってでも、お前を是非連れて帰りたいものだ。
このまま歴史の片隅に埋もれさせるのは余りに惜しい…」
Su-35J「おお、あのお方が久々に本気を出される」
Su-47J「大人しく従っていれば仲間が犠牲にならずに済んだものを…愚か者が」
不敵な笑みを浮かべゆっくりとアフターバーナーに点火するF-3C。
新たな戦いの予兆に大地が震えたその時であった。
>>944
異変の元を突き止めるために、調査していた百式新司偵より連絡が入る。
新司偵「われ西の丘陵地帯でミサイル設備を発見せり、付近で日米合同部隊と日本籍と思しき所属不明の戦闘機部隊が交戦中。
戦況は膠着状態なれど相手方多数により押し切られるのも時間の問題だろう」
零戦 「…何と、新手の異世界からの使者とは」
隼 「日本籍の戦闘機が多数…か、ならばこちらも数で勝負だ。直ちに日米合同部隊の支援に向かう!」
紫電改「ええっ、マジかよ?大体未来の部隊が苦戦してる相手に、俺たちが加わっても焼け石じゃ…」
雷電 「成る程そうきたか…よし、俺も助太刀するぜ!」
紫電改「ちょ…雷電まで」
五式戦「今は出来る限りの事をするのみ、俺は隼先輩に続くぞ!」 「俺も!」「漏れも!」「私も!」「アタシも!」
後を追うように次々と飛び立つ陸軍機一同+雷電、残ったそれ以外の海軍機は…
紫電改「あ~あ行っちゃった、どんだけ命知らずなんだよ」
959:名無し三等兵
09/02/02 00:27:37
震電 「(おろおろしながら)どうしよう、雷電や火龍のお兄ちゃんたちに着いていきたいけど、月光さんも気になる~」
紫電改「お前まで行くなよ震電、ここで一緒に待ってようぜ」
天山 「俺は別に怪しげな連中にも武器にも興味ねえ、あいつに何かあったらすぐ駆けつけられるよう待機しとかんとな」
紫電改「おっ、天ちゃんとは珍しく意見が一致したねえ」
天山 「天ちゃんとか気安く呼ぶな、ぶち噛ますぞ」
零戦 「まあ雷電が同行しているから連中への面目は立っているだろう。天山の言う通り我々は基地内部に着目しよう」
紫電改「…もし本当に俺が最後の切り札なら、まだ今は戦わなくて良いんだよな?うん」
>>953
(声)「…すまない。お前に当たっても仕方ないのに、つい熱くなっちまった」
月光「…いくら未来の航空機たちに不手際があったと言って、勝手に兵器を持ち出したり基地から仲間を締め出して
無差別攻撃をしていい理由にはならないだろう」
(声)「進化した軍事力を持つ子孫たちに対抗するには、同じ力を使うしかなかった。お前にこれ以上苦労をかけさせたくない
一心で陸軍に招き入れたつもりだったが…一連の事態が重なって裏目に出てしまったな。結果として心身共々お前を
最も深く傷つけてしまったのは他でもないこの俺だ。だから愛想を尽かされても当然で、二度とお前が俺の元に
戻ることはない、そう思っていたんだ…」
月光「確かにお前のしでかした事は許し難いが、私も同罪だ。今ならまだ共にやり直しが効く、数々の行いを詫びて
悔い改めると誓えば、それまでの事は全て水に流そう。だがまだ抵抗を続けるつもりなら、この斜銃にかけて
お前の暴挙を全力で食い止める」
(声)「今となってはどちらも選ぶことは出来ない…もう手遅れなんだ」
月光「手遅れ…?そう言えば先ほどから声だけで姿がさっぱり見当たらないが、何かあったのか?」
>>958
Su-37J「申し上げます!彼方よりこの時代の日本軍機が多数接近中!先ほど付近を飛行していた偵察機が呼び寄せたものかと
思われます。このままでは我々の任務に支障を来たしますが、いかが致しましょう?」
F/A-18E「あれは…オスカーを筆頭に、トージョーやトニーにフランク、ヘレンにペギー…ジャックまでいるぞ。
あいつら何しに来たんだ一体?」
960:名無し三等兵
09/02/02 00:31:08
隼 「所属不明の日本機たちに告ぐ…この日米合同部隊は我々陸軍の許可を得た上で活動している、用が無ければ即刻退去せよ。
もし彼等の行為を妨害する様であれば我々も直ちに交戦体勢に入る」
AV-8B+「ちょwwww無理wwお前らの敵う相手じゃねえwwww死ぬぞwww止めとけwwww」
Su-35J「ここから今すぐ立ち去れ…だと?」
Su-47J「未来からの侵攻を食い止めて欲しいという要請は嘘だったのか…?」
突然の旧軍機の飛来に困惑する次世代機たち。
>>959
不審に思い、声のすぐ近くまで歩み寄る月光。
月光「あっ!その姿は一体…!」
資材の隅から、その一部と区別がつかないほどにボロボロになった屠龍が現れる。
屠龍「(弱々しい声で)こんなみすぼらしい姿、出来ればお前に見せたくなかったぜ…先日海軍の艦攻と殴り合ったのもあるが、
それは大した事じゃない。実は今まで秘密にしてたが俺は時空を司る特殊能力を持っていてな、そのお陰で未来の
不穏な動きをいち早く察知できた訳だが…奴らと渡り合う為に異世界の連中を呼び寄せたりと、持てる能力を、
禁じられた力までも全て使い果たしてしまったんだ。どの道俺はもう長くはない。
だからせめて、最後はお前に止めを刺されて死にたい…」
月光「屠龍、そんな…」
屠龍「俺が消えればこの基地に張り巡らせた結界は完全に解け、元通りになる。その際衝撃で一時的に使用不能になるが、
皆が待避できるぐらいの猶予はやろう。お前の手にかかって死ねるなら本望だ、どうせ俺がいなくなったところで
悲しむ奴なんかいないからな…」
月光「この……大馬鹿者が!!!」
ガッ!
屠龍「あいたたたた…お前今、手加減なしで殴っただろ」
月光「お前がいなくなっても誰も悲しまないだと…ふざけるな!!じゃあ目の前にいる夜間戦闘機は一体何だと言うのだ?
組織の枠を越えて共に祖国の為に戦い抜こうと誓い合った仲ではなかったのか?冗談もたいがいにしろ!」
屠龍「月光…」
月光「そうやすやすとお前を死なせてたまるか!今修理できる者を捜してくるから、大人しく待っているがいい」
961:名無し三等兵
09/02/03 01:24:57
F-3C 「今回の任務は未来勢力の排除であって、この時代の兵器は攻撃対象から外されている。彼等に一切手出ししてはならない」
F・フォックスの一声により我に返り、慌てて体勢を立て直す一同。
雷電 「…やはり同じ日本機だけあって、迂闊に俺たちには攻撃できないらしい。どうやら読みが当たったな、隼さんよ」
隼 「あちらの指導者が話の分かる相手で良かった…だがまだこれで終わりじゃない。
爆撃部隊は直ちに先にミサイル設置場所に向かった機体の支援に向かえ」
火龍 「了解、そう来なくっちゃ!」
飛龍 「ふふっ、火龍にばかりいい思いはさせないわよ!」
呑龍 「(ロシアベース機を押しのけながら)さああんた達、そこをどいたどいた」
XFV-14B「もしかしてこいつらのお陰で余計な戦闘を回避できたのか…?よし、この隙に俺たちもミサイル設備に向かうぞ!」
旧軍機に引き摺られる様にして、一同は弾道ミサイル発射地点へと移動していく。
ミサイル設置場所に到着すると、ちょうど空自機たちによる設備の破壊が完了したところであった。
F-4 「ようやく破壊に成功した、これで脅威が一つ減った。米軍及び旧日本軍機の支援に心から感謝する…」
A-4E 「お前らもやれば出来るんだな、見直したぜ」
遅れてやって来た異世界日本機たちは、改めてこれまでの経緯と事情をそれぞれから聞かされる。
XFV-14B「…これで分かっただろ?今回の要請は件の陸軍戦闘機の狂言で、他の仲間は誰も頼んじゃいないって事だ。まあ百歩譲って
無知や誤解からくる思い込みもあったかも知れないけど、どっちにしろあんた等がここに来たのは骨折り損だったな」
その時、円形広場から新たな機体が、血相を変えながら現れた。
AV-8BJ「大変です!時空を繋ぐ入口が…魔方陣の効力が急激に弱まってきています!これは召喚者がゲートを放棄したか、
或いは召喚者そのものが消滅した以外に考えられません!」
AV-8B+「うはwww何ぞこれwwwww日の丸の俺ガイルwwwwwもう何が何だかwww訳わかめwwwww」
F/A-18E「…(小声)少なくともお前の何倍かはまともそうに見えるがな」
鍾馗 「召喚者…屠龍の事か。奴に何かあったのだな、きっと」
962:名無し三等兵
09/02/03 01:29:34
「…動くな!」
格納庫から出て行こうとする月光に向けて、しかし屠龍は銃を構えた。
「どこまでお前は、お人好しなんだ。いかなる時でも戦闘機たるもの、背を向けるのは命取りだと、知らないはずが無かろう」
「私を道連れにするつもりか…分かった、好きにしろ」
だが月光は動じる事なく、静かにこう答える。
「なっ……!」
「先ほどお前は、私の手にかかって死ねるなら本望だと告げたが、それは私も同じ。
それでお前の心が救われるのなら…喜んで受け入れよう」
「お前………」
しばしの間沈黙が流れ、やがてすすり泣きに近い音が聞こえたかと思うと、すまない、という言葉でしめくくられた。
「覚悟はいいか、これで終わりにしてやる」
屠龍の宣告によって目を閉じて、最期の時を待つ月光。
(小園司令、お約束を守れず申し訳ありません。しかし、この旧知の友をどうしても放ってはおけないのです…)
背後から響く銃声
しかし、いつまでたっても衝撃が訪れない。
訝しく思った月光が振り返ってみると…
「どうして…」
自らの銃弾を浴びた屠龍が、そこに倒れていた。
「…最後の…最後まで…親友の…ままで…いてくれて…あり…がと…う…」
「と…りゅう」
残り僅かな意識を振り絞ってそう伝えると、旧友は息絶えた。
友の命を救えなかった悲しみと口惜しさに、抜け殻となった機体を抱きしめながら、しばらくの間月光は泣いた。
母親にあやされて眠る赤子の様に、腕の中の機体はこの上なく安らかな表情だった。
963:名無し三等兵
09/02/03 01:34:01
AV-8BJ「ここが使い物にならなくなるのも時間の問題です。そうなれば新規にゲートを確立するまで、
今派遣されている多くの者達が元の世界に帰る手段を失うでしょう」
F-3C 「私一人なら何とかなるのだがな…仕方ない。この世界に興味がない訳ではないが、留まる理由も無くなった事だし
身体を張って応戦に来た先祖たちに免じて、ここが使える内に総員撤退するとしよう」
次々と引き上げていく異世界日本機たち。
Tu-160J「戦闘による負傷者も残らず収容致しました。貴方様も…さあ早く!」
最後に残ったF-3Cが、XFV-14Bに語りかける。
F-3C 「もう一度問う。いつ消されるかも知れない日陰者としてこの地に留まり続けるか、それとも無限の可能性と夢を求めて
我らと共に未知の世界に旅立つか、考え直すつもりはないか?」
XFV-14B「何度訊かれようが答えは同じだ。日陰者だからこそできる使命もあるし、ここでだって夢を追うことは不可能じゃない」
F-3C 「ならば最早何も言うまい。この先も茨の道が続くであろうお前を遠くから見守るとしよう、さらばだ。我が“弟”よ…」
そう言い残して去っていくF-3C。それが魔方陣の放った最後の輝きとなり、その直後異世界のゲートは跡形も無く消滅した。
XFV-14B「…ったく、兄貴なんてこれ以上いらねえっての。大体、あんな勿体ぶった偉そうな奴の弟だったら苦労するわ…」
待機中の海軍機の元に舞い戻ってくる日米合同部隊。
震電 「あっ、お兄ちゃんたちが帰ってきた!」
紫電改「お前ら…よくまあ無事だったな」
雷電 「へへっ、怪しげな武器はぶっ壊してきたぜ」
XFV-14B「上空を彷徨いていた、正体不明の連中も帰っていった」
だが喜びに沸き立つのも束の間、突然失速し、みるみる高度を下げていくF-1支援戦闘機の姿があった。
F-1 「最早燃料も弾薬も尽き果てた…どうやら私はここまでの様だ」
F-4 「どうした?…!いつの間にこんなに傷ついて…」
九九式双軽「そう言えばあたし達が駆けつけた時から、あんた元気なかったね…大丈夫?」
F-4 「無理もない、ミサイル設備にたどり着くまでに、数多くの敵機と地上対空兵器の間をかいくぐってきたんだ…
しっかりしろ!元いた基地まで戻れば修理も補給も受けられる、だからもう少し辛抱して…」
964:名無し三等兵
09/02/03 01:37:00
F-1 「一度も実戦経験がないまま、引退した身だが…これで有終の美を飾れる…祖国のお役に立てて…悔いは…無い」
F-4 「共に生きて平成の空に帰ろうと約束したではないか…俺を残して逝かないでくれーーー(号泣)!!!」
ファントムの叫びも空しく、崩れ落ちるように降り立ったF-1の機体は、それきり動くことはなかった。
「この世界を守るために散っていった子孫に、哀悼と敬意を表して…敬礼!」
零戦の号令と共に、時代と国と組織を越えこの場に居合わせた全ての機体が、それに倣った。
間髪を入れず、小園司令を乗せて基地から出てくる月光。
天山「今度は月光が戻ってきたぞ!航空司令もご無事だ」
月光「もうすぐここは一時的に使えなくなるから、みんな早く逃げてーーー!!」
隼 「一時的に使えない?それに屠龍は結局どうなったんだ?」
零戦「どうやらのんびりしている暇はなさそうだ、ひとまず香取基地まで後退しよう、詳しい話はその後だ」
一目散に脱出する航空機たち、その直後、藤ヶ谷はまばゆいばかりの閃光に包まれる。
基地に遺された夢も野望もそして哀しみも、全てが光の渦に呑み込まれていった──
>>785
一方館山基地では、燃料を補給する記憶喪失のF-22に、A-4EとF/A-18Cがこれまでの経緯を話していた。
A-4E 「…という訳でジャップの歴史改変計画は頓挫した、だが余計な力がこの世界に働いたためまだ不安定な状態が続いてる」
F/A-18C「今正にその歪みを直し、元の状態に戻そうとしているところなんだが…その修正活動が思うように進まなくてな。
何しろ持ち出された弾道ミサイルが各地に分散してるのもあるし」
F-22 「……修正?…しゅうせい……うぐううぅ~」
それまで話を聞いているのかも怪しく、虚ろな様子だったF-22が突然頭を抱えて苦しみ出す。
F/A-18C「おい、燃料に変なものでも混じってたか?」
A-4E 「んな訳あるか、(顔を覗き込んで)もしかして何か思い出せそうとか?」
F-22 「予定通り不穏分子の掃討作戦を開始する…まずはお前たちからだ!」
A-4E 「へ?何訳の分からん事を…」
F/A-18C「いいから逃げろ!こいつ顔つきが急におかしくなったぞ!」
一難去ってまた一難、新たな試練の幕開けであった。
965:名無し三等兵
09/02/03 23:57:17
B-29並みの爆弾搭載量を誇る紫電改
超音速VTOLな紫電改
雷電33型のエンジンを積む紫電改
F-22よりもステルス性能が高い紫電改(心神並?)
隼1型並の装甲を持つ紫電改
966:名無し三等兵
09/02/04 17:19:27
恵方巻きと間違えて、航空魚雷をかじろうとして
陸攻姉さんに怒られた紫電改。
「ははは、莫迦なやつ」
と笑いながら、彩雲の特大増槽をかじっている雷電。
967:名無し三等兵
09/02/07 02:25:09
その頃、館山湾には秋月型駆逐艦新月が航行中で、真っ先に基地で発生した異変を発見する。
新月「大変だ!館山方面から火の手が上がってる…でも空襲にしては爆撃機の姿なんか全然見かけなかったし、何かおかしいぞ。
早速秋月兄さんに報告しなきゃ…その間にちょっと勇気を出して自力で調査してみようかな…
あっ、基地から何か飛んでくる。あれは……あああ兄さーーーん!!!」
自艦の真上を掠める神々しくも凶々しい異形の米軍戦闘機、それが新月が最後に見た光景だった。
>>750
ところ変わって現代日本の横田基地、その一角に米空軍を影で動かす黒幕たちが集まっていた。
影1「ついに"猛禽"が覚醒したか…」
影2「一時はどうなるかと思ったが、結果的には丁度良いタイミングで発動したな」
影3「手始めに基地を一つ壊滅に追いやった…最強の戦闘機と銘打っているからには、やはりこうでなくては」
影4「しかしいささか派手過ぎではないか?搭載量の少なさが玉に瑕であるから、最初からこの調子だと
すぐに弾薬が底をついてしまうぞ」
影1「心配無用、専用の補給部隊を現地の沖縄に配備した。攻撃の度に立ち寄るようプログラムを組んである」
影2「既に沖縄は米軍の占領下であるから、ジャップに発見される可能性は限りなく低い。さて…」
影3「早速次の任務に向けて動き出している模様だ。無論最終目標は"ゼロ"の名を受け継ぐ戦闘機の完全抹殺であるが」
影1「それでは諸君、お手並み拝見といこう」
こちらは昭和20年の香取海軍基地、所属機体に加えて藤ヶ谷から避難してきた陸軍、現代自衛隊、米海兵隊と様々な航空機で
入り混じり、カオスな賑わいを見せていた。しばらくして、百式新司偵と零戦を載せた海自の哨戒機P3-Cが戻ってくる。
新司偵「藤ヶ谷の様子をくまなく見てきたが、元通りの状態に戻っていて、特に問題はなさそうだ。ただ…」
隼 「…ただ?」
P-3C 「かの陸戦が立てこもっていたと思しき格納庫の箇所だけは原型をとどめないほど破壊され、
機体はおろか部品の残骸すら、発見する事は出来ませんでした」
疾風 「そうか…あいつ自分のいた痕跡すら残さず消し去ったんだな」
鍾馗 「全く、最後の最後まで騒がせやがって…結局俺は、兄として何一つ力になってやれなかった」
968:名無し三等兵
09/02/07 02:26:19
「私は…」
それまでのやり取りを聞いていたのか、月光が不意に口を開く。
月光 「かつて子供たちが私にそうしてくれた様に、屠龍を過ちから目覚めさせ、救えるのは自分にしかできないと思っていた。
でもそれは単なる思い込みで、結局彼を救うどころか死なせてしまった。私と関わったばかりに、
私のせいでどれほどの機体が犠牲に…」
零戦 「それは違うな。大体恨みを残して死んでいった者が、あんな安らかな表情をするか?」
自責の念に捕らわれる月光を零戦は軽く窘める。
月光 「え…どうしてそれを?」
零戦 「ああ、未来の指導者に伝える必要があると判断したからな。すまんが格納庫の跡地で起こっていただろう
それまでの出来事を、勝手に"視"させて貰った」
紫電改「ぷぷっ、レイ(零)戦だけにレイ(霊)視ですか…あだっ!殴ったね(以下略」
零戦 「そもそもこれまでの経緯を考えても、奴が未来からの武器を持ち込んで基地に籠城してから、こちら側が反撃に
打って出るまでにそれなりの時間があった。その間攻撃を受けたのは硫黄島だけだったが、その気になれば他もいくらでも
攻撃出来たはずだ。或いはここに取り残された小園司令を人質にして、海軍に対し無茶な要求を突きつける事だってな。
だが現実はそうならなかった、何故か?」
紫電改「…坊やだからさ」
零戦 「やかましい(殴)!雷電、あとで奢るからこいつが余計なこと喋らんように抑えつけとけ」
雷電 「ほい来た♪悪く思うなよ」
紫電改「むぎゅうぅ~」
P-3C 「何故そうしなかったのか…それは再び貴女が来てくれることを、心のどこかで待ち望んでいたからではないでしょうか?」
969:名無し三等兵
09/02/07 02:28:11
零戦 「奴は特殊能力を使い過ぎて機体の寿命を縮めたと言っていただろう?取り返しのつかない事をしているという自覚は
あるにはあって、しかし最早引っ込みがつかない状態だったに違いない。完全に動かなくなる前に、最も親しかった者に
一目会いたい、ごく自然な心理ではないか。このまま再会出来なければ、切り札として取っておいた武器でこの国もろとも
道連れに自爆していた可能性だってある。しかし実際月光は彼の元へと向かった。命がけで説得に来てくれた友に対して
感謝こそすれ、恨みを持つなど筋違いではないのか?だからこそ自らの非を認め、基地を無血で解放した上で
自決の道を選んだ。命を助ける事は叶わなかったものの、魂は十分に救われている、そう思うのだが違うか?」
月光 「私には分かりません…本当に、仰る通りなのでしょうか?」
P-3C 「今はそう信じるより他ありません。貴女自身立て続けに大切な人を失い、その悲しみは計り知れないものでしょう。
しかし、貴女を慕う者たちはまだまだ沢山いるはずです…どうか彼等の言葉にも耳を傾けて下さい。
きっと力になって支えてくれますよ」
天山 「俺がもしその立場だったら、正に零戦の言った通りだろうな…あの野郎の気持ち、今なら少しだけ分からんでもないぜ」
零戦 「とにかく、これまで重大な任務ご苦労だった。後一つ残っているが…そう、小園司令を厚木基地まで送り届けたら
そのままゆっくり休んでくれ。念の為天山にも同行して貰おう」
零戦の言葉に従い、小園司令を乗せた月光は天山と共に厚木基地へと飛び立っていった。
基地で出迎えた部下たちは(>>774)、藤ヶ谷で司令が月光に前代未聞の改造を施し、未来の戦闘機を破ったという風の噂を
聞きつけ、こぞってノウハウの伝授を乞うたが、彼は向こうでの記憶がほとんどないと頑として一点張りで、固く口を閉ざしたという。
偵察隊の報告を受け、藤ヶ谷に戻っても問題ないと判断した陸軍機たちは帰り支度を始める。
隼 「色々世話になった。かの夜戦にも宜しく伝えてくれ、余り気を落とすなと」
五式戦「また何かあったらご一報下さい。できる限り我々も協力致しましょう」
零戦 「了解した。そちらも達者で…」
XFV-14B「あ、ちょっと待ってくれ」
隼 「…何か?」
970:名無し三等兵
09/02/07 02:29:54
XFV-14B「さっきは、身の危険も省みず駆けつけてくれて有り難うよ。あんた達のお陰で余計な戦闘をせずに済んだ」
隼 「礼には及ばん。当然の事をしたまで…それでは(敬礼)」
同じく敬礼を返す零戦及びスーパー・ゼロ。
紫電改「全く、うちのリーダーも陸さんみたいに誠実で勤勉だったらどんなにか…ぐえぇ~」
悪態をついた瞬間、かのリーダーにそそのかされた雷電のボディアタックが見事に決まった。
一方、空自機たちはというと戦いに殉じた後、硝子玉と化したF-1の魂を手にするT-2の姿があった。
T-2 「それでは今回の戦果をイーグル様に報告すると共に、この魂を間違いなく平成世界へと送り届けて参ります。
向こうに残った展示機体が再び空を舞う事はありますまいが、弟が自らの命を賭して成し遂げた事は、
この時代の兵器の方々がそうしてきたのと同様に、私たちの間でいつまでも語り継がれていく事でしょう
…いえ、語り継がねばなりません」
F-4 「ああ、頼んだ…とうとう空自戦闘機も俺だけになってしまったか…(嘆息)」
そしてこれら一部始終を見守っていた米海兵隊機たちは…
F/A-18E「どうやら日本国内もようやく落ち着いてきたみたいだな、そろそろ俺たちも帰投するか」
XFV-14B「すまんが先に戻っててくれないか?俺はこの日の丸ペイントを元に塗り替えるついでに、
こいつらと今後の方針についてちょっと話がしたいから」
A-4E 「次の任務まで余り間がないから、適当なところで切り上げろよ」
XFV-14B「ああ…分かってる」
「それで、流出した残りの弾道ミサイルなんだが…」
機体のペイントを星の模様に塗り替えながら、XFV-14Bは自衛隊機及び零戦たちと打ち合わせをする。
XFV-14B「後二カ所に分散していて一つがハワイ島、これは今米海軍第七艦隊が総出で向かっている。そしてもう一つが…」
F-4 「海自の護衛艦と哨戒ヘリが探索中の東アジア方面だったな。確か」
XFV-14B「そう、平たく言えば朝鮮半島にあるんだが…厄介な事に我々と同時代のサウスコリアン連中がやって来て、
ミサイルを奪っていったらしい。歴史を改変してやると息巻いてな」
F-4 「よりによって一番関わりたくない相手が…何という事だorz」
971:名無し三等兵
09/02/07 02:32:05
XFV-14B「祖国の早期独立、朝鮮戦争回避、南北の分断を無かった物にするとか…どんな改変をしたいのか大体の想像はつくな。
最初は海軍だけだったのが空軍もその話に乗り出してな。そうなると海自勢力だけで対抗するのはきついだろうから、
俺たちも乗り込んで一気に片を付けようって訳だ」
F-4 「成る程。では我が空自側からも参戦させて貰おう」
XFV-14B「断る」
F-4 「何故…!?本来なら我々が処理しなければならない問題なのに、藤ヶ谷での恩も返したい。
数が多ければ多いほど有利ではないか?」
XFV-14B「万が一ミサイルが本土に飛来した時は?そのための防空という重大な任務があるだろうが。
空自で戦闘能力を持つ機体はあんた位しか残ってないんだろ?恩返しをしたいならそっちを全うしてくれ」
F-4 「くっ、その通りだ…不甲斐ない話だが」
XFV-14B「それはそうと、ミサイルの件でどうも気になる点が一つあるんだ」
F-4 「何、どういう点が?」
XFV-14B「各地に分散している位置だが…まず持ち出した陸軍戦闘機の国内の所属基地、これは納得がいく。
そして朝鮮半島もこの世界では日本の統治下とされているから良しとする。
問題は三つ目のハワイ…何故これだけ遠くにある?」
F-4 「それは…」
XFV-14B「ハワイでまっ先に思いつくのが、開戦のきっかけとなったパールハーバーへの奇襲だが、
ジャップの攻撃はそれきりじゃないか。海外の拠点に設置したつもりなら、
もっと重要な土地が他にあるはずだ、ましてや陸軍という立場で考えたら」
零戦 「確かに…言われてみれば」
XFV-14B「奴の特殊能力による転送先がたまたまそこだったと、一言で片づけるにはどうも腑に落ちなくてな
…逆にアメリカ側の立場から考えたら、パールハーバーはそこでやられた屈辱を倍返しとか、
ジャップ憎しの代名詞になってる訳だ。この前のイオージマ基地への攻撃がきっかけで、米国内の世論が
停戦派と徹底抗戦派に真っ二つに分かれて、当然ハワイは後者だが、そこに直接日本を狙い撃ちできる
弾道ミサイルが発見されたりして、とにかく現地は想像以上に緊迫した情勢だと、第七艦隊の連中もこぼしてた」
紫電改 「ふ~ん。歴史改変の危険性は日本だけじゃなくてアメさんもなんだ」
972:名無し三等兵
09/02/07 02:34:25
XFV-14B「たった一発のミサイルで、歴史とんでもない方向に行こうとしている。俺は改変の怖さを改めて思い知ったぜ。
そんな訳で、少ない知恵で俺なりの仮説を立ててみたんだ。ハワイにあるミサイルが、
日本と朝鮮半島方面にあるものとは別のルートから流出したとすれば…」
その時、XFV-14Bの元に思いもよらぬ通信が入る。
F/A-18E≪こちらホーネット、スーパー・ゼロに告ぐ。我々の部隊が…"猛禽″によって壊滅寸前に追い込まれている…≫
XFV-14B「なっ……!それはどういう事だ一体!」
F/A-18E≪母艦のいる海域に向かったら、奴の手によって船が沈められていた…無論、中にいた連中はもろとも海の底だ。
辛うじて上がっていた者たちで反撃を試みたが…全く歯が立たない。俺もいつまでこうしていられるか分からない、
落とされるのも時間の問題だろう…この世界に派遣された海兵隊とそれに協力した連中を、奴は残らず皆殺しにする
つもりだ…次は間違いなくお前が狙われる…命が惜しければ、今すぐ奴の目の届かない、できる限り遠くまで逃げ…
アムラームがこちらに向かってくる……駄目だ、もう避けきれない…!!≫
XFV-14B「どうした!応答せよ!!ライノ………そんな…」
がっくりと肩を落とすXFV-14B。通信はそこで途絶え、雑音しか聞こえなくなった。
ちょうど時を同じくして、香取基地からも騒然とした空気が流れ始める。
紫電改「急に騒がしくなったけど、一体どうしたんだい?」
流星 「どうしたもこうしたも…さっき彩雲から連絡があって、館山がやられたって」
雷電 「やられた?B公の仕業か?」
彗星 「それが、直前まで爆撃機は見当たらなかったのに、いきなり火の手が上がったとか…」
紫電改「何だそれ?空襲じゃなくて内部からの火…?」
流星 「でも、基地の他に湾内の艦船も被害を受けたらしいんだ。火事だったらそんなにならないだろ?
やっぱり敵に襲われたのは確かなんだよ。ここもいつそうなるか…くわばらくわばら」
零戦 「心配するな、香取には強力な守護神がついてるからそう簡単にやられはせんよ。
それはさておき、これはただ事ではなさそうだから早速館山の様子を見に行こう」
XFV-14B「(何かを思い出したように)館山には確か…俺も連れてってくれ!」
973:名無し三等兵
09/02/08 19:41:39
待てよ 似てるなぁ
自然界の驚異と紫電改の脅威って似てるなぁ