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2015.9.30 05:05
昭和の名人と謳（うた）われた落語家、六代目三遊亭圓生が急死したのは、昭和５４（１９７９）年９月３日の夜だった。４日未明には、上野公園のパンダのランランが死んだ。
▼新聞の死亡記事では、ランランの方が大きく扱われてしまう。弟子たちがさんざん面白おかしく高座で語ってきた、エピソードである。こちらは正反対のおめでたいニュースが、同じ日に重なった。
▼昨日のスポーツ紙は１面で、歌手の福山雅治さん（４６）と女優の吹石一恵さん（３３）の結婚のニュースを大きく報じていた。
芸能面には、お笑い芸人、千原ジュニアさん（４１）の結婚の記事があった。「ジュニアも」の見出しが、何となくおかしい。
▼テレビで人気者の千原さんも、「恋人にしたい男性有名人」１位の福山さんにはかなわない。なにしろ「福山ショック」のあまり、
会社を早退するＯＬが相次いだという。やけ酒をあおる女性客のために、割引セールを行う居酒屋まであった。千原さんも、この騒ぎをお笑いのネタにするはずだ。
▼日本映画の巨匠、小津安二郎監督は、多くの美人女優に囲まれながら、生涯独身を通した。ただ昭和２６年に公開された『麦秋』のなかで、ロマンスの噂もあった女優の原節子さんに、
こんな台詞（せりふ）を与えている。「４０にもなって、まだひとりでブラブラしている人なんて、あたし、なんだか信用できないの」。
▼近年、深刻な社会問題になっている少子化の背景には、男女問わず進んでいる未婚化、晩婚化がある。５０歳まで結婚しない人の割合を示す生涯未婚率は
平成２２年、男性で２０・１％、女性で１０・６％に達した。その後も上昇しているようだ。最近の芸能界の結婚ラッシュに刺激を受けたカップルが、歯止めをかけてくれないものか。
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