24/02/27 13:35:26.53 .net
Q. 商業主義になれという事か?
僕は漫画には商業性・作品性・芸術性、この3つがあると思っていて
商業性の要素を活用すれば人気になりやすいという論を持っている。
でも、作品性に寄ったとしても人気を得るのは不可能ではないよ。
ただ…より難しくなるだけの話でね。
スタイルが反商業性なのに人気やお金が欲しいというのは
ロックやポップスでもないジャズで人々を熱狂させようとするようなものだ。
熱狂させたいならロックをやれ、ポップスをやれ、そっちの方がおそらく手軽だという話なんだ。
Q. あなたは新人賞入選を獲って一気に漫画界の頂点を獲るらしいが、他の新人賞受賞作を見てどう思う?
新人賞は週刊少年ジャンプ、ジャンプ+共に多く観察してるのだけど
まあ、上手い読み切りは結構あるんだけどさ
あ、こいつ読み切り専門だなと感じる事がほとんどだよね。
こいつが連載したらどんな漫画を描くんだろう?
すごい漫画を描きそう!
って感想になる事はほとんどない。
それが壁なんだと思う。
Q. 上手くても壁があるのか?
読み切りってのは基本的に1話完結なので、お話がしっかりしてれば高得点が出やすいものなんだ。
「いい話だったなあ」と思わせたら勝ちというか。
そしてそれを感じさせる要素ってのはテンプレ的に幾つかあるんだよ。
例えば病気とか死とか毒親とか、そういう要素を組み込んで話を作ると
ちっちゃな感動ストーリーというのは結構作りやすいんだよ。
それが出来た作品が賞を獲ってるんだけど
それは“よく出来てるから”“よくまとまってるから”賞を獲ってるだけなんだ。
新人賞においてはよく出来たイクラ丼が普通のカツ丼より評価されるんだ。
でもね、連載で勝ってスターになって行くのはイクラ丼ではなくカツ丼なんだよ。
僕が注目してるのはパフォーマンスよりもポテンシャルなんだ。
例えばど真ん中ストレートを強振して110mのギリギリホームランを打った者よりも
170mの特大ファウルを打ちながらも三振した者の方に輝きや可能性を感じるわけだ。
例えば…尾田栄一郎の「ROMANCE DAWN」という読み切りは
拙さもあったし、決して完璧な作品ではなかったけど、ポテンシャルがすごかった。
「こいつはとんでもない才能だ」と読み始めた瞬間にわかったよ。
そういうのが本物なんだ。