25/08/02 07:05:23.47 0.net
覗きについて中島義道が秀逸な考察をしているよ。以下のコラムは朝日新聞に載せるために書いたけどボツにされたそうだ。
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U教授が、女子高校生のスカートの中を覗こうとして、現行犯で捕まった。彼の場合、有名人であり、しかもいかにも清潔そうな紳士であったから、
「見せしめ」としての効果は十分あったであろう。いまや、痴漢冤罪が多発する(らしい)満員電車の中は、ますます男たちを震えあがらせている。
一人の男の「些細な」行為に、数十年にわたる膨大な数の女たちの苦しみがのしかかる。いままで唇を噛んで我慢してきたが、もう泣き寝入りはしない、泣き寝入りはさせない、と。
こういうとき、取り調べははじめから容疑者を「魔女」と決めてかかる現代の魔女裁判になりかねないのである。
それはそれとして、わからないこともない。すべからく「革命」はやりすぎなければならないのだから。
だが、どうしても変だと思うのは、こうした性的な事件が起こると、スカートの中を覗くことが、あたかも恐るべき「異常な」行為であるかのように言い立てることである。
でも、そうかなあ?
風呂場を覗き込む行為も、酔って女性の胸や尻に触る行為も、生物体としてのヒト(オス)にとって、とくに不自然な行為とは思えない。
ただ、こうした「自然な」行為が現代社会では(なぜか)激しく非難されるのである。単なる「制度」が自然とみなされる瞬間に、その制度からの逸脱者は(単に不正をはたらいた者ではなく)異常者とみなされてしまう。これは人類の歴史始まって以来、面々と続く暴力である。
だから、すべてが変だとわかっていても、異常者扱いされるのが厭なら、みんなと口裏を合わせて、性犯罪者を「ヘンタイ!」と叫んで社会から葬り去りましょう。そうしないと、あなたに危険が及びます。
ちょうど魔女裁判で「魔女」と叫んで唾を吐き掛けない者は、気がつくと魔女にされてしまったように。