17/10/24 00:32:34.84 NMs391Ima.net
>>617
歯抜けちびがヘタに首ツッコめば、厳冬の知床に素足で逃げる日が待っているな。
風雪の北浜駅に逃げ込んだ野間は、
喫茶店『停車場』で熱いコーヒーを飲んで冷え切った身体を温めた。
カタカタと音を立てる窓からはオホーツク海の波濤が何度も打ち寄せているのが見える。
「おれ、こんなところで何やってるんだろ」
自問自答する野間にマスターが話しかける。
「お客さん、次の列車まではあと5時間はありますよ」
「ああそう…疲れているからちょっと休んでいていいかな」
非常に疲労していた野間は泥のように眠り込み、5時間はあっという間に過ぎた。
「お客さん、そろそろ列車の時間ですよ」
「すごく寝ちゃった。ごちそうさまでした。おあいそね」
会計を済ませた野間は海風が吹きすさぶホームに立った。
「反原発も、ヘイトも、沖縄も、アイヌも・・・ぜーんぶ俺から逃げちゃた・・・」
単行の気動車が入線する。
扉が開いた途端、大柄の男らが降りてきた。
野間の声は雄叫びをあげる冬のオホーツクにかき消され、聞こえることはなかった。