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毎日新聞
2026/1/12 10:30(最終更新 1/12 10:57)
いまから40年前の1986年1月、東京・築地の中華料理店に、ある面々が集まった。2月、東海道新幹線で京都駅に降り立ったその面々はある調査を開始する。6月に設立する「路上観察学会」の栄えある、最初の踏査in京都である。
美術家で芥川賞作家でもあった赤瀬川原平さん(1937~2014年)が観察対象としていたのは「超芸術トマソン」。「不動産に付着し美しく保存されている無用の長物」と定義され、
具体例を挙げるならば「路上の無用の突起物だ。あるいは穴を塞がれて無用となった郵便受の庇(ひさし)だけが玄関脇に……。ビルの側面に撤去された家の跡が影絵のように……」などとなる。
トマソンという命名は、81年にプロ野球・巨人に期待を集めて入団し、ふるわなかった外国人選手にちなむ。
「言葉があると、見えなかったものが見えてくるわけです」。カルドネル・シルヴァンさん(63)=京都市上京区=は、40年後のいまも絶えない路上観察者の一人。
2024年には、赤瀬川さんの著作を仏訳し編み直した「Anatomie du tomason(超芸術トマソン全貌)」をフランスで出版し、世界の芸術大国に初めてトマソンを紹介した研究者となった。
迎えた26年も、4月から1年間の研究休暇を、路上観察学会の資料調査や赤瀬川さんの短編小説の仏訳出版などにつぎ込むというのだから、魅了されぶりはハンパない。
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西洋にも広がるトマソン