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性犯罪被害者はなぜ回避や抵抗が困難なのか
~神経系レベルで理解する 滋賀医科大教授講演~
※時事メディカル
(2025/07/14 05:00)
【前略】
◇行動を理解するカギとなる「ポリヴェーガル理論」
性暴力は命の源である尊厳、自尊心、希望を壊すと言われています。そして、せっかく他者への開示ができたとき、頼った警察、弁護士、医療者、家族に「何でそんな時間に歩いていたの」「何で自分の家に入れた」「なぜ加害者の家に行った」「本当に嫌だったら最後まで抵抗できるはず」と問われる。
時系列に説明ができない。何もなかったように仕事に行ったり、学校に行ったりしている。そういう行動が理解されず、屈辱を味わうのです。
その根底には、「誘ったのでは」という偏見、いわゆる「レイプ神話」があります。この神話には被害者を非難したり、加害者の行為を正当化したりする要因が含まれています。
被害を受けると、その直後は(頭の中は)真っ白でフリーズしてしまい、覚えていません。そのことを私たち医療者は何も知らずにいるのではないでしょうか。
どうしてあの時動けなかったのか、どうして相手の言うことに従ってしまったのか。自責している被害者を理解しないまま、理不尽さを与えてしまっている。それが回復の妨げになっていることを、支援する側は知る必要があると思います。
最近知られるようになってきましたが、被害女性を理解する上で、「ポリヴェーガル理論」は救いです。これまで自律神経は、交感神経と副交感神経の二つと理解されていましたが、神経生理学者のポージェス博士が多重迷走神経理論というものを提唱し、多くの書物に書いています。
この理論では、副交感神経を二つの神経枝に分けて考えます。これが被害者を理解することにつながる科学的なエビデンスとして、徐々に周知されるようになってきました。
ポリヴェーガル理論では、被害直後にまず副交感神経の「背側迷走神経系」が優位になると博士は述べています。
背側迷走神経系は、危機に面すると酸素を使わずじっとする。無意識にブレーキがかかり、フリーズします。フリーズしながら徐々に交感神経系を働かせ、逃げられるかな、闘えるかなと。徐々に心拍数が上がっていき、酸素を使って体を動かそうとします。そして、ここでいけると思ったら逃げます。
そうでなければ、「腹側迷走神経系」が優位になって、安全の合図を待ちます。助け合おうとすると博士は語っています。これを「迎合」と言います。迎合とは、自分の考えを曲げてでも、他人の気に入るよう調子を合わせること。生き残るためであり、神経系の反応だとポリヴェーガル理論は説明しています。
被害者に起きていることはまず混乱です。自分が被害を受けていると分からないほど固まるということです。次にどういう行動を取ればいいか分からない時間がある。
そして恐怖反応。加害者に接近されると強い恐怖感に陥り、手が震え、足に力が入らない。だから命令に自動的に従う迎合(状態)になってしまいます。
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