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◆コロンビア大学で糖脂質の研究をする辻守哉教授
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◆妻・由起子さんと二人三脚で研究
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(前略)
辻教授の現在の研究は、新型コロナやインフルエンザなどの感染を「鼻スプレー」で予防することを目指している。
まだネズミやハムスターなどを使った段階だが、免疫細胞の「ナチュラル・キラー・ティー(NKT)細胞」
を刺激する糖脂質「7DW8-5」を鼻に投与したところ、新型コロナのほか、インフルエンザや
RSウイルスなど、呼吸器疾患を起こす様々なウイルスによる感染を防ぐ効果を確認。
7月に科学誌の「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。
「例えば、ちょっとこれから飛行機に乗るとか船旅に行くとか、あるいは集会がある場合。
またはスポーツ観戦やコンサートなどに行く場合。その1日前や2日前にシュシュッと
鼻にスプレーすれば、呼吸器感染が防げるということ」と辻教授はイメージを説明する。
◆電気も水道もない村でマラリア研究
もともと1990年代からマラリアワクチンの研究開発に携ってきた辻教授
は、恩師のすすめでアフリカのマリ共和国で実地研究もしてきた。
電気も水道もない村に寝泊まりをしながら最新の免疫について講義をし、勉強熱心な現地
の学生と触れ合ううち、「マラリアをなんとか解決しないといけない」と思ったという。
◆「僕は研究が大、大、大、大好き」
研究について語る辻教授の目は輝いている。30年経た今も、平日はもちろん
土曜日も研究室に通い、日曜日も半分は実験を行っているという。
(中略)
◆研究を例えるなら「100メートルダッシュを100回」
大学時代はアメフトで鍛えていたという辻教授。
「研究は知力、頭脳は必要ですけど、一番は体力と精神力」と言い切る。
「研究はマラソンといいますが、僕の場合、毎日100メートルダッシュを100回している
感じで、ふらふらになって研究を終えて帰る。ただただ走っているんじゃないんです。
100メートルダッシュしないとダメなんです、ずーっと」
(中略)
◆妻と二人三脚の研究
そんな研究生活を支えるのは妻の由紀子さん。実は、前述の糖脂質「7DW8-5」
の効果をコロナウイルスやインフルエンザウイルス、RSウイルスでも
試そうというのは由紀子さんのアイディアだったという。
現在、オランダの会社とタッグを組み、次の段階である臨床試験に向けた開発を続けている。
スケジュールが入力されたカレンダーは週末も含め、びっしりと詰まっている。
辻教授の「100メートルダッシュ」の日々が続きそうだ。