19/05/20 19:42:05.62 CAP_USER.net
・なぜ「5人に2人」しか働いていないイタリアは日本と遜色ない“豊かさ”なのか :経済評論家 加谷珪一
近年、日本社会が急速に貧しくなっていることは多くの人が実感しているだろう。経済学的には日本の生産性が低いことがすべての元凶なのだが、生産性というのは抽象的な概念なので、今ひとつピントこないという人も多いはずだ。本稿ではもう少し具体的に社会の豊かさや高齢化の問題について考えてみたい。
「欧州の問題児」でもなぜ豊かに見えるのか
社会の豊かさをもっとも的確に示す指標は1人あたりのGDP(国内総生産)である。1人あたりのGDPでは本当の豊かさは測れないとの意見もあるが、それは単なる思い込みである。
現時点では、1人あたりのGDPほど的確に社会の豊かさを数値化できる指標はない。
海外に行った時、たいていの人が、空港から出た瞬間にその国がどの程度、豊かなのかすぐに実感できるはずだ。
人間の五感というのはたいしたもので、建物や道路といったインフラや走っている車、人々の服装などを総合して、あっという間にその地域の経済水準を推測できる。実際に試してみるとよいが、私たちの直感と1人あたりのGDPの数字はおおよそ一致しているはずだ。
日本の1人あたりGDPはかつて世界2位になったこともあり、以前の日本社会はかなり豊かであった。だが日本は年々順位を落としており、今となっては先進7カ国で下から2番目となっている。
先進7カ国で唯一、日本と同レベルなのがイタリアなのだが、どういうわけかイタリアは日本から見るとかなり豊かに見える。1人あたりのGDPが日本の1.6倍もあり、大卒の初任給が50万円を超