【オピニオン】なぜ「5人に2人しか働いていない」イタリアは日本と遜色ない“豊かさ”なのか [05/20]at NEWS5PLUS
【オピニオン】なぜ「5人に2人しか働いていない」イタリアは日本と遜色ない“豊かさ”なのか [05/20] - 暇つぶし2ch2:SQNY ★
19/05/20 19:42:24.77 CAP_USER.net
●日本と似ている家族主義
 イタリアは欧州の中では家族主義的な傾向が強く、前近代的な風習を残しており、その点においては日本に近い部分がある。北欧では完璧な福祉制度が確立しており、高齢者のケアもすべて個人単位となっているが、イタリアの場合にはカトリック圏ということもあり、家族が面倒を見る比率が高い。
 だがイタリアの場合には、日本とは比較にならない数の無職の人たちがいる。人口の過半数が働いていない状況であれば、家族や親類の誰かが介護できるので、老人のケアは日本ほど大きな問題にはなりにくい。イタリアは若年層の失業率が高いことでも知られているが、国全体として日本に近い稼ぎを得られているのであれば、無理に労働する必要はなく、これが失業を長期化させている面もあるだろう。

 欧州の場合、北欧やドイツなどプロテスタント圏を中心に発達した「自立した個人として豊かさを実現する」という考え方と、南欧カトリック圏を中心とした「家族主義的に相互ケアする」という考え方の2種類がある。
 北欧やドイツでは、就業率も生産性も高く、個人が責任を持って自己の経済力を確立するシステムになっている。特に北欧の場合には、国民負担が大きい分、福祉はすべて政府に任せることが可能だ。一方、イタリアでは、働ける人だけが効率よく働き、残りはあまり働かないシステムである。
 だが、手が空いている人は、対価は発生していないものの、家族や親類の中で労働力を提供することで、諸問題に対処している。
 もちろん北欧には北欧なりに、イタリアにはイタリアなりに多くの問題があり、バラ色というわけではないが、少なくも基本的な方向性だけははっきりしている。
 ところが日本の現状は、北欧やドイツ並みに就業率が高く、全員が労働するという状況だが、生産性が低いので、余剰の富で福祉をカバーすることができない。一方、就業率が高過ぎるため、手が空いている人がおらず、家族が介護することにも限界がある。現実には、政府による福祉制度に頼れないので、家族が介護せざるを得ず、これが貧困を招いているケースが多いだろう。
●日本社会が豊かになるには
 最大の要因は日本の生産性が低く、必要な富を稼げていないことだが、社会のあり方に対する基本的な議論ができていない点も大きいと考えられる。
 日本社会は、前近代的な色彩を残しているので、北欧型の個人主義的な福祉制度には馴染まない面がある。一方で、日本は急速に核家族化が進んでおり、従来型の大家族制度も崩壊している。
 近年、日本では保守化が進んでいるとされ、伝統的な家族の価値観を重視する傾向が強くなっているが、そこで語られている家族像は、どちらかというと戦後型の核家族(親と別居したサラリーマンの夫と専業主婦の妻、そして子どもがひとつの単位になっている核家族)であり、本当の意味での伝統的な家族ではない。
 もし家族が老後の面倒を見るのであれば、2世帯、3世帯の同居が前提となり、今の核家族制度とは合致しない。しかも家族全員が働いていては、介護のなり手がいないので、生産性を上げ、就業率を下げなければ、このシステムはうまく回らないだろう。
 個人を単位として政府が介護を担うということであれば、財源が必要なので、さらに生産性を高める必要がある。日本が高齢化の問題に本気で取り組むのであれば、どちらのシステムを選択するのか、そして、それぞれのシステムを実現するためには、どの程度の生産性引き上げが必要なのか、真剣に議論する必要があるだろう。


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