15/04/11 22:32:07.58 .net
(>>1の続き)
─先ほどの発言について確認しておきたいのだが、米国の貿易交渉に携わる人々は、はじめ日本をTPPに参加させたくなかったのか。
USTRの法律専門家は、日本を第1の利害関係者にしたくないと考えていた。なぜならば、日本は交渉を長引かせるだけで、妥結しない
だろうとの予測からだ。そのため、第1ラウンドで小グループを作った後、第2ラウンドになってから日本を参加させるというものだった。
■TPPに失敗すればヨーロッパ政策にも波及
米国は2016年に大統領選を迎える。どちらの党が勝利するにせよ、新大統領は、TPPの成立いかんによって、巨大な利益をもって
スタートするか、巨大な損失をもってスタートするか、どちらかになる。
TPPは文明社会の究極目的ではない。しかし、米国政府はTPPを貿易自由化のための唯一のイニシアティブであるとしている。TPPで
失敗すれば、我々はヨーロッパでイニシアティブを握ることもできないだろう。
TPPが成立しなければ、米国がアジア地域においてバランスを取り戻す戦略は、骨抜きになってしまうだろう。
─なぜでしょうか。
これまでのところ、米国のこの地域における軍事的プレゼンスは、過去の遺産でうまくやっているにすぎない。この地域におけるわが国
の外交関係は、将来は大部分が忘れ去られてしまう恐れがある。米国は衰退しつつある、ハリボテの大国になるだろう。
強大な軍事力を持っていても、この地域の重大な紛争に対しては、わずかな影響力しか持てなくなるに違いない。
─つまり、オバマ政権はTPPを重視している?
オバマ政権にとって重要というだけではない。米国、またアジア太平洋地域にとっても重要なことだ。オバマ政権は明らかに妥結に向けて
慎重な準備に入っている。私は最近議会に行ったが、ホワイトハウスがさらに努力しなければならないということは明白だ。
議会の職員たちは、こんな疑問を口にしていた。「ホワイトハウスはいつになったら我々に接触してくるのだろうか」。申し添えておくと、
議会の雰囲気はホワイトハウスに対してそれほどオープンでもフレンドリーでもない。それでも、ホワイトハウスはさらなる努力をする必要
がある。
■ホワイトハウスは誰と接するべきなのか
─たとえば?
超党派的であることが必要であり、ホワイトハウスはジョン・ハンツマン議員のような人物と接触するべきだ。彼は、大統領候補でない
共和党員として、唯一注目するべき人物といえる。彼はホワイトハウスと協力してTPPを議会に通すことを提案している。ハンツマンは
この問題を知っており、しかも政治的な駆け引きも心得ている。いくらかの妥協も必要だろう。まずは大統領から歩み寄るべきだ。
写真=ジョン・ミード・ハンツマン議員(写真)が、TPP妥結に向けたキーパーソンになるとクローニン博士は考えている
URLリンク(tk.ismcdn.jp)
残念ながら、オバマ大統領にはモラル・ハザードがある。彼は議会を分裂させるような人物になってしまった。2016年の大統領選が
ヒートアップすれば、分裂状態は悪化の一途をたどるに違いない。TPPの主たる支持者がオバマ大統領ただ1人となれば、TPPの成立は
ますます難しくなることは明白だ。
したがって、大統領は 有力な超党派の議員たちの意見に耳を傾ける必要がある。もう1人、重要な役割を担ってくれそうなのが、
ポール・ライアン議員だ。他にもうまくやってくれそうな議員が何人かいる。
大統領はTPPの成果を皆に分け与えることを目指さなければならない。議案の可決は、厳しい競争が始まること、やるべき仕事が追加
されることを意味するに過ぎないからだ。
(終わり)