24/04/04 21:50:35.02 PkjCMerV0.net
>>59 (続き)
斉藤小百合さん 憲法学者・恵泉女学園大学教授 空洞化が進む 20条と9条
日本国憲法の制定には、旧体制(アンシャン・レジーム)と決別する意味がありました。自衛隊員の靖国神社への集団参拝から
感じるのは、旧体制が復活しようとしているのではないかという強い危惧です。
旧体制とは、天皇を絶対的な君主とする大日本帝国憲法下での天皇制、軍国主義を進めた軍隊、神聖な天皇が国家の中心だという
国家神道などでした。結果、生まれたのが、天皇を象徴とする1条、戦力の不保持をうたう9条、厳格な政教分離を定めた20条
でした。
憲法では、個人の信教の自由も保障されています。だから1974年の防衛事務次官通達は、国の組織である自衛隊が部隊として
宗教施設に参拝すること(部隊参拝)や、隊員への参加強制を禁じているのです。
今回発覚した集団参拝について、防衛省は、全員が自由意思で参加しているので「私的参拝」だと説明します。しかし、綿密に
組織的計画を立て、大勢で参拝している実態を考えれば、組織的な参拝とみるほかありません。個人の信教の自由という説明ですが、
上意下達の組織で、自由意思がどこまで働くかも疑問です。参拝しないという意思表示をする隊員をあぶりだすことで忠誠心を
あおるなら、戦前の靖国神社の役割そのもの。国家と宗教との結びつきを禁じた政教分離原則に違反します。
(続く)