24/03/28 22:05:39.42 kTlRZIeL0.net
>>26 (続き)
アーティストの中には、作品の抽象度を上げてメッセージを忍ばせる人もいます。しかし、それでは読み取れる人にしか伝わらない。
そこで彫刻、絵画、映像などのスキルを活かしてアクティビズムの現場で活動する人もいます。歴史の中にかき消された声を
引き受け、確信的に表現する美術家が多くいます。
私たち市民の側は「負の歴史を知ろう」と言う時に、身近な地域、深い関わりのある場所にどんな歴史があるのかといった、その場
固有のリアリティーを掘り起こしていくことが大切です。
明治以降、公共空間というのは「国民国家」という意識を言葉を介さず視覚で植え付ける場であり、その象徴が彫像や造形的記念物
でした。だからこそ、それらは国民国家から排除されているものを記憶・検証し、そこで語られなければならないのは何なのかを
照らす定点観測装置です。今回の問題は、今なお民主的な公共空間は存在しないことを示しました。
表現をめぐり、原発や天皇、慰安婦もだめだという空気が確かにあります。今回は「強制連行」が問題とされました。歴史の封殺が
ドミノ倒しのように起き、加速している印象です。
(続く)