産経抄ファンクラブ第301集at MASS
産経抄ファンクラブ第301集 - 暇つぶし2ch106:文責・名無しさん
24/02/28 09:07:56.11 9WcRXXj+0.net
2月28日

 あるテロリストが残した句を引く。<捨てし世を未練と思ふ遠花火>。過激派「東アジア反日武装戦線」を主導した大道寺将司元死刑囚である。世の中を震撼(しんかん)させた連続企業爆破事件で死刑が確定し、平成29年に獄中で病死した。

▼一味は潜伏、沈黙のうちにテロを重ね、逮捕されると凶暴な本性をあらわにした。法廷で「革命兵士」と自称し、机やいすを蹴って暴れたこともある。大道寺元死刑囚が公の場で初めて被害者に謝罪したのは、口火となる昭和49年8月の三菱重工ビル爆破事件から実に25年後だ。

▼それとて自らが死刑廃止運動に関わる中で、被害者の声を無視できなくなったがゆえの軟化という。市民に犠牲を強いた「革命」を含め、はがれたメッキの下に見えたのは独善という地金だった。むろん、テロに膝を折るほど柔弱な日本ではない。

▼逮捕を逃れていた桐島聡容疑者が書類送検された。「桐島」を名乗り病死した男が、本人と特定されたからである。長らく「内田洋」の偽名を使い、神奈川県内で暮らしていた。「うっちー」などの愛称で呼ばれ、市井に溶け込んでいたとも聞く。

▼事件としては公安の敗北に違いないが、桐島容疑者の勝ち逃げでもない。半世紀近い逃亡と沈黙が意味するのは、革命の敗北だろう。本名に倍する春秋を偽名で送った代償が、末期まで受診できなかった大病である。死の床で口にしたとされる「後悔」の、中身を聞きたかった。

▼逃亡生活の実相も被害者らへの思いも確かめるすべはない。<短詩さへ詠めぬを嗤(わら)ふ冬の蠅(はえ)>。大道寺元死刑囚は死の数カ月前、骨髄腫の痛みの中でそう詠んだ。句ににじむ自嘲にすら痛憤を禁じ得ない。語らずして死んだ桐島容疑者には、なおのことである。


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