産経抄ファンクラブ第298集at MASS
産経抄ファンクラブ第298集 - 暇つぶし2ch562:文責・名無しさん
23/07/18 08:59:30.92 FW+IrzmA0.net
昭和20年3月9日、小学3年生の金田茉莉(まり)さんは、宮城県内の集団疎開先の最寄り駅から夜行列車に乗り込んだ。翌朝、上野駅に着くと、東京大空襲により一面焼け野原になっていた。やがて母親と姉の遺体が隅田川で見つかる。妹は不明のままだ。父親は早くに病死していた。
▼孤児となった金田さんは、兵庫県に住む親戚に引き取られた。子供が7人もいる大家族の小間使いの扱いである。食事の支度から風呂たきまで家事を担いながら、「出ていけ」と言われ続けた。何度も考えた自殺は「天国にいるお母さんに会えなくなる」と思いとどまった。
▼高校を卒業後、無一文で上京する。孤児とわかると採用されないから、就職先では「親はいる」と噓をついた。そのうち右目の視力を失う。成長期の栄養不足が原因だった。
▼結婚し2児の母親になった金田さんは、孤児だったことを隠して生きてきた。転機となったのは、40代後半に患った大病である。命のあるうちに戦争孤児の記録を残そうと思い立った。孤児たちを探し当て体験を聞いてまわった。
▼売春宿に売られた女児がいた。東京・上野の地下道では、浮浪児となった多くの孤児たちが、「おかあさーん」と叫びながら餓死、凍死した。行政の「狩り込み」によりトラックの荷台に乗せられそのまま山奥に捨てられる事例もあった。
▼20万人を超える戦争孤児たちに、国は一切救済の手を差し伸べてこなかった。それどころか、実態を隠してきた。「子どもの命より、国家復興、経済成長が一番大事だったのです」。今月10日に88歳で亡くなった金田さんは著書の『かくされてきた戦争孤児』に怒りをこめて記した。そんな国が今、少子化対策で「国民運動」に取り組むそうである。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch