産経抄ファンクラブ第297集at MASS
産経抄ファンクラブ第297集 - 暇つぶし2ch18:文責・名無しさん
23/04/04 07:50:47.82 6kreDzH/0.net
4月4日 産経抄

先月28日に71歳で亡くなった坂本龍一さんが、細野晴臣さん、高橋幸宏さんと結成した「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」の人気は先に海外で火が付いた。

▼昭和53年に出したデビューアルバムはほとんど反響がなかった。それでも翌年にワールド・ツアーを敢行すると、各地で成功を収める。その様子が日本に伝わり、帰国すると国民的スターになっていた。

▼坂本さんに「世界の」という枕詞(まくらことば)が付くようになるのは映画と関わってからだ。学生時代から作品に親しんできた大島渚監督が、ある日事務所を訪ねてきた。憧れの人から出演を依頼されると、反射的に「音楽もやらせてください」と申し出ていた。『戦場のメリークリスマス』を彩る美しい旋律が初めての映画音楽だったとは、今も信じられない。

▼「戦メリ」はカンヌ映画祭に出品され、現地で大島監督から引き合わされたのが、イタリアのベルトルッチ監督である。清朝最後の皇帝、溥儀の生涯を描く『ラストエンペラー』でも、坂本さんはあくまで俳優として参加するはずだった。

▼ところが撮影が終わって半年後に「音楽もやってくれ」と言ってきた。中国が舞台であるがヨーロッパの映画であり、戦前戦中の話でありながら現代の映画として表現する。2週間不眠不休で難しい注文をこなした曲は、見事アカデミー賞を受賞する。

▼坂本さんが演じたのは、満州国建国に関わった甘粕正彦大尉である。実際の甘粕は服毒自殺するが、ベルトルッチ監督は映画で切腹させるつもりだった。自伝の『音楽は自由にする』によると、坂本さんの必死の説得により、銃での自殺に変わった。ハラキリのままだったら、日本のステレオタイプのイメージが定着していただろう。


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