産経抄ファンクラブ第296集at MASS
産経抄ファンクラブ第296集 - 暇つぶし2ch519:文責・名無しさん
23/03/02 08:12:10.72 qqmAkIgo0.net
3月2日 コラム 産経抄
1976年7月、米フィラデルフィアのホテルで開かれた在郷軍人の総会に参加した人たちの間で肺炎が大流行する。患者の検体から発見された未知の菌は、在郷軍人会(レジオン)からレジオネラ菌と名付けられた。

▼当初日本国内では海外旅行客に注意が呼び掛けられるだけだったが、やがて各地の温泉で感染者が見つかった。宮崎県日向市の温泉施設では平成14年7月にレジオネラ菌による集団感染が発生、7人が死亡して大問題となる。

▼福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉 大丸別荘」では、大浴場の湯から基準値の最大3700倍ものレジオネラ菌が検出された。県の条例で週1回以上は必要とされる湯の入れ替えを、年2回の休館日にしか行っていなかった。消毒用の塩素の注入も怠っていた。保健所の調査に対しては虚偽の報告をしていた。

▼二日市温泉は万葉集に登場するほど歴史は古い。「湯の原に 鳴く葦鶴(あしたず)は 吾(あ)が如く 妹(いも)に恋ふれや 時わかず鳴く」。鶴が葦原で鳴くのは、自分のように亡き妻を恋しく想(おも)っているからだろうか。大宰府長官となった大伴旅人(たびと)が、現在の二日市温泉に宿をとった際に詠んだという(『温泉の日本史』石川理夫著)

▼1865年創業の大丸別荘は、かつて昭和天皇も宿泊されている。そんな伝統と栄誉を誇る旅館の社長は会見で、レジオネラ菌について「大した菌じゃないという認識だった」と語っていた。歴史ある温泉の安全に責任を負う「湯守」の自覚が、まったく感じられない。

▼各地の温泉地ではコロナ禍による観光客の激減により、休業、廃業に追い込まれた旅館も少なくない。温泉の湧出量の低下も伝えられる。老舗旅館の背信は、温泉文化の危機に追い打ちをかける。


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