産経抄ファンクラブ第296集at MASS
産経抄ファンクラブ第296集 - 暇つぶし2ch144:文責・名無しさん
23/01/29 08:03:26.07 8HgjOVxv0.net
1月29日 コラム 産経抄

推理小説の大家、江戸川乱歩は作中で罪なき人を随分とあの世に送った。人を殺(あや)めるトリックも数多く披露した。恐怖を商売にした人だが、実は山びこが苦手だったという。姿のない生き物という感じが怖い、と。

▼「声というやつは…それだけ切り離すと、ちょっと凄味(すごみ)のあるものである」。乱歩が『声の恐怖』という小文に書き留めた一節である。出どころの分からぬ声は、人の恐怖心を刺激してやまない。その構図は、現代の電脳空間を飛び交う情報にも当てはまるらしい。

▼謎の首魁(しゅかい)がSNS(交流サイト)で数十人の実行犯に強盗を指図する。奪った金品は分け取りにする。そんな凶行が成り立つのが不思議だった。実行犯だけで金品をせしめたら…と。どうやら指示役は、裏切りの代償として実行犯に報復を示唆していたようである。
▼SNSの「闇バイト」に端を発した連続強盗の内情が見えてきた。「ルフィ」と名乗る指示役と実行犯の間には「逮捕されても黙秘」の契約があったとされる。実行犯は「ルフィ」に個人情報を握られ、契約を「破れば粛清」との脅しに震えていたと供述している。
▼被害者こそいい迷惑だろう。「ルフィ」はフィリピンの入管施設で拘束中の日本人といい、複数人が名乗っていたとも聞く。特殊詐欺の亜流で驚きはない。むしろ〝声の主〟も分からぬ「闇バイト」の誘いに、いい年をした数十人もの大人が乗せられたことに驚く。 

▼〈誰(た)れか吹くインターネットの薄闇にかすかに聞こゆハンメルンの笛〉前川斎子。踊らされる愚か者の多さよ、と笑うまい。SNS時代の変転には警察も追いついていない。横でスマホを操る人も、もしかして。凶悪な影は闇の中でなく、私たちのすぐ隣にある。その現実が怖い。


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