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4月25日(土)朝日新聞朝刊別刷be7面・作家の口福
「ネルーダ飯」 海堂尊
二月、コロナ騒動が大事になる前に取材でチリに行き、ノーベル賞詩人
パブロ・ネルーダの足跡を追って、細長いチリを北から南まで旅しました。
ネルーダは食いしん坊で彼の家があるイスラ・ネグラではソウル・フードの
「カルディージョ・デ・コングリオ」(アナゴのスープ)を食べました。
濃厚なスープは深い味わいでしたが、サンチャゴのメルカド(市場)で食べた
焼いたコングリオも白身ながら質感があり絶品でした。
魚市場と店が隣接し「エリセ(ウニ)はありますか?」と聞くと「ちょっと待ってね」
と言い、五分後に「今日のウニは最高だよ」と答えてくれる。山盛りのウニを
白ワインのミニボトルでちびちびやりながら、魚が焼き上がるのを待つのは至福の
時間でした。でもアナゴとは少し違う味だなと思っていたら昔、料理店をやっていた
現地ガイドさんが面白い事実を教えてくれました。コングリオは米国ではキングと
呼ばれる深海魚でアナゴとはまったく別種です。バブルの頃日本に輸入された時は
「アマダイ」の代用品として売られていたそうです。
チリの食事は安くて美味しく肉と魚が絶品です。野菜も新鮮で美味しい。要はなんでも
旨い(笑)。しかも安い。
(続く)