20/02/16 18:54:35 nl7zHY16.net
>>539 ツーリングカーのマシン造りも、このBTCCあたりから変わってきた。
ボディ剛性を高めるため、室内に縦横無尽に張り巡らされたロールケージや、車体の中心付近に極力低くセットされたドライバー着座位置などは、このころから採用され始めている。
また、いわゆるハイテク装備はレギュレーションで禁止されていたものの、シーケンシャル方式のトランスミッションが採用されたのも、このBTCCあたりからである。
この人気のBTCCに、日産は93年から、プリメーラで参戦している。
96年まではP10型のプリメーラでエントリーしていたが、97年からはP11型プリメーラに移行している。
今回紹介するのは、99年のBTCCシリーズでチャンピオンを獲得したマシンだ。
SR20DEエンジンをベースに、搭載の向きを前方吸気・後方排気に変更。潤滑はドライサンプ方式、8300回転で300馬力以上を発生。
これにXTRAC製の6速シーケンシャルタイプのトランスミッションを組み合わせていた。エンジンルームを見ると、かなり低い位置にマウントされたエンジンが目を引く。
さらに、リアホイールがフェンダー内に入るほど低められた車高などに、運動性能を向上させるためのエンジニアの苦労が見てとれる。
そのエンジンの下には、ラリーカーのような大きなジュラルミン製のアンダーガードが装着されている。当時のメカニックによれば、
「空力性能向上のためだ」とのことだが、レーシングカーとアンダーガードという意外な組み合わせ、さらにフロントサスペンションのロアアームをこのアンダーガードに取り付けるという、
ユニークかつ合理性を重んじる発想に驚かされたファンも多かったことだろう。
日産は、このマシンで99年のBTCCシリーズ26戦中13勝を挙げ、マニュファクチャラー、ドライバー、チーム、そしてプライベーターの4部門でチャンピオンを獲得した。
同時期に日本で活躍していたプリメーラと比較すると、そのカラーリングやマシン造りの違いに、彼の地との国民性や文化の違いを感じさせてくれる1台である。