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9回2死、馬原に代わりまして・・・斉藤和巳
1 :風吹けば名無し:2011/11/20(日) 21:32:26.57 ID:uBiJr8zO
「ピッチャー、馬原に代わりまして・・・斉藤和巳」
湧き上がる歓声、揺れるヤフードーム。マウンドには背番号66・かつてのエース、斉藤和巳が送られた。
全カード勝ち越し、交流戦優勝と、ここまで完璧なシーズンを送ってきたソフトバンクホークスが、最後の最後に送り込んできたのはこの男だった。
秋山「カズミ、やれるか?」 斉藤「やれる、という確信がなきゃ、ここに居ませんよw」
小久保「無茶はしなくていいぞ」 川崎「後ろには俺たちが付いてますから!」 斉藤「みんな・・・」
馬原「最後は・・・頼みます。」 馬原からボールを受け取る斉藤の目には、既に熱いものが込み上げていた。
投球練習を終え、一呼吸置いてから、胸に手を当て、バックスリーンを見上げる。
失われた5年。あまりにも長かった。斉藤に今できること、それは、福岡のファンに自分の“今”を見てもらうことだけだ。
「・・・さぁ、行くか。」 大きく振りかぶる。斉藤の心に、もう迷いは無かった。
次の日、中日優勝で色めき立つ新聞の片隅で、斉藤和巳の引退が静かに報じられた。