24/12/30 23:26:09.02 qtBg1uEC0.net
・・・っと。
無職・独身・統合失調症・生活保護ニシオはいつものように20年以上使っているWindowsXPマシンで「かちゅ~しゃ」を起動し、2ちゃんねるに書き込んだ。
これでみんなのレスが付くはずだ。
本気で釣られてマジレスをくれる者
本気で釣られて卑猥なスレを叩いた>>1を攻撃してくる者
釣りだと分かっていてヤレヤレという感じで反応してくれる者
無関係のコピペやAAを貼ってくる者
十人十色の反応を示すのが面白い。ニシオにはそれら全てが楽しかった。
自分に対する攻撃レスであっても心地よかった。
どうせ名無しなのだ。この自分が攻撃されているわけではないのだから。
ニシオは孤独だった。話す相手などいない。
いるとすれば月1ぐらいで訪ねてくるケースワーカーの小西ぐらいだ。
やたらニシオに仕事をさせようとする。「月5万円でいいから稼いでみませんか」などとわけのわからないことを言ってくる。
クーラー代も支給してくれないケチなやつだ。
「>>1はクソスレ立てた償いに回線切って首吊れ」
「マジレスすると学校の保健室の養護教諭に相談しろ、養護教諭でなくても誰か女性の先生が対応してくれるはずだ」
「娘の写真うpきぼんぬ」
「オマンコ写真もうpきぼんぬ」
「そんなことより聞いてくれよ>>1よ こないだ近所の吉野家行ったんです」
モナーやギコ猫やニダーのAAが踊る。
・・・そうした書き込みが溢れ、ニシオは生きててよかった、という充実感を感じるのであった。
掲示板のみんな、モナー、ギコ猫といったAAが彼の友達だった。
職も友人も彼女も要らない。この世界があれば自分は生きていける。
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ケースワーカーの小西のレポート。
統合失調症の彼は幻覚を見ていて20年前の2ちゃんねる世界に生きています。
既に閲覧も書き込みもできない初期の専用ブラウザを起動し、何も表示されない画面を前に薄笑いを浮かべてキーボードを叩いているだけです。
自分が書き込みをし、掲示板の仲間がレスをくれるという妄想に浸っている毎日です。
労働の意欲はなく治療や自己改善の意思も見られない状態です。
他に興味を示すものといえば子供の頃から持っている古い任天堂のゲームぐらいです。
社会復帰には程遠いと言わざるを得ません
小西は彼についてどういう方針を取るべきか、市の福祉課の上司、石田に相談を持ちかけた。
(つづく)