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育てた豚「残さず食べなくては」 畜産科の高校生、感じる命の重み:朝日新聞
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森北喜久馬 2023年8月2日 12時30分
熊本県立熊本農業高校(熊本市南区)で「食味会」が開かれた。畜産科の生徒たちが育てた豚を自分たちで食べ、命の大切さをかみしめる大切な行事。コロナ禍でできず、4年ぶりの会となった。
食べるのは、ハイブリッド豚の雌。生後6カ月で120キロほどまで育った20頭の中から、肉付きが良く、健康で「おいしそうな」1頭を選んだ。
7月14日に出荷して、戻って来た肉の塊を18日、養豚専攻の3年生12人がスライスした。
19日にあった食味会には畜産科の1~3年生110人全員が参加。養豚専攻の3年生が後輩たちに食べる豚の写真を示し、「家畜の命を感謝を込めていただく日です」と呼びかけた。
畜産科では1年生で鶏を「絞める」ことを体験する。豚は食肉用に処理する工場で、命を絶つ瞬間から解体する様子まで一部始終を見学する。
一方で、生徒たちは豚を大切に育ててきた。養豚専攻だけでなく、1~2年生も交代でエサを与え、豚舎を掃除する。熊本農業では、飼料の配合を工夫して育てた豚を「シンデレラネオポーク」と名付けて売り出してきた。納豆、きなこ、もち米、ラーメン、ピーナツの皮、大豆かすなど17種類の材料を混ぜ合わせるのも生徒の仕事だ。新型コロナに感染しても、休みたがらない生徒もいた。
食味会では、屋外のテントで炭火で豚肉を焼いて味わった。「うまい、うまい」という声があちこちから上がる(略)
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