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「ウクライナに平和を」と願うテチャナさん。ウクライナ語で「ウクライナに栄光を」（上右）、英語で「ウクライナと共に」（上左）と書かれている＝いずれも上里町の菅原神社で
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菅原神社の社務所には長い列ができていた
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ウクライナ語と英語で御朱印を記すテチャナさん
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ロシアによるウクライナ侵攻が続き、停戦協議も進まない中、埼玉県上里町の菅原神社では、ウクライナ語と英語で平和への願いを書き添えた御朱印を頒布している。ウクライナ出身で同神社権禰宜（ごんねぎ）の梅林テチャナさん（３９）は「早く戦争が終わって、生活が元通りになってほしい」と祈るように話す。（渡部穣）
今月二日、同神社の社務所には御朱印を求める人の長い列ができていた。テチャナさんは筆ペンを使い、ウクライナ語で「ウクライナに栄光を」、英語で「ウクライナと共に」と書き記していた。
二時間近く並んだという女性は「まさか歴史の教科書でしか見たことがないような戦争が現実に起きるとは。ウクライナを応援したいが、何をしていいのか分からない。せめて御朱印をもらおうと思って来た」と話した。訪れた人から励ましの声をかけられることもあるといい、テチャナさんは「温かい言葉をもらってありがたいです」と感謝する。
テチャナさんはウクライナ西部のザカルパチア州出身。キエフ国立大学に在学中、同大で日本語を教えていた、禰宜で夫の正樹さん（４９）と出会った。二〇〇九年末に来日し、翌一〇年に結婚。正樹さんが専門調査員として在ウクライナ日本大使館で働いていた一一～一三年は、二人でキエフで暮らした。
一四年にクリミア半島がロシアに併合されて以来、「いつかこういうこと（侵攻）が起きる、危ないと思っていた」とテチャナさん。一方で現実にならないことを願っていただけに、かつて住んだ街が攻撃され、がれきが散乱する映像を目にして「大きなショックを受けた。信じたくなかった」と憤る。
両親や姉妹は侵攻の前からチェコとポーランドに住み、ザカルパチア州にいる親戚とは連絡を取っている。キエフ在住の友人や知人の無事も確認できているが、テチャナさんは「状況は悪くなっている。これからどうなるか分からない」と不安を口にする。「ロシア軍には早く撤退してほしい。日本にもウクライナを応援してほしい」と祈るように話した。
東京新聞 2022年3月6日 07時34分
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