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東山動植物園（名古屋市千種区）で２年に一度、来園者の投票で決まる
「人気動物ベスト１０」。２２回目となる今年、台風の目となりそうなのが、
「シャバーニ」のイケメンぶりで人気を集めるゴリラだ。コアラやゾウといった
歴代の常連たちを抑え、４４年ぶりの首位返り咲きなるか。
◆シャバーニ効果４４年ぶり奪首か
「キリンもコアラも好き。でも今回はやっぱり、ゴリラが一番ですかね」
今月十九日、園の正門前の投票所。長男（３つ）と訪れた千種区の
主婦増田真由子さん（３８）は、そう予想しながら票を投じた。一票で
好きな動物を三種類まで記入でき、増田さんがその一つに挙げたのがゴリラ。
「腕が太くて筋肉質なのが格好良い。シャバーニは今日も人だかりでした」
人気動物ベスト１０は一九六八（昭和四十三）年から続く園の伝統あるイベント。
当初は二～四年ごと、八六年以降は二年に一度実施され、結果は十位まで発表される。
中でも、東山の顔ともいえるコアラは圧倒的な集票力を誇る。
八四年にオーストラリアから初めて来園して以来、幅広い世代の支持を集め、
八六年から同数一位を含めて通算十三回の王者に輝いている。
八十年前の開園当初から親しまれるゾウも、二〇一三年にアジアゾウの
「さくら」が誕生する追い風に乗り、前回一四年は首位を奪還した。
対照的にゴリラは近年まとまった支持を得られず、低迷が続く。かつて
人間のように踊り、楽器を奏でる「ゴリラショー」で人気を博し、第一、
二回と華々しく連覇を飾ったが、ゴリラの成長に伴い六八年に中止
された影響か、その後は票が伸び悩んできた。
シャバーニの登場は、そんな流れを一変させる可能性がある。
前回投票後の昨年、りりしい顔立ちと体つきで人気に火が付き、
新たな東山の顔に躍り出た。いまやＴシャツや写真集などの
関連グッズが百五十種類販売され、売り上げは全体の半分近くを占める人気ぶり。
園の広報担当、石川恭之さん（３３）は「コアラ、ゾウは別格の強さがあるが、
ゴリラが割って入った構図。三つどもえの激戦になるのでは」と票を読む。
投票期間は十月一～三十日。園内三カ所の投票所で、記名式の
投票を受け付ける。「シャバーニ」などの個体名を書くと、
園が定める「ゴリラ」などの一般名に分類される。結果は十一月中ごろに園が発表する。
（河北彬光）
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