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★アメリカの「食」の魅力伝える
2014.8.12 17:20
どこの街にも大手外食チェーンのファストフードがあり、友人とのパーティーでは宅配ピザが定番…。
アメリカの「食」というと、こんな画一的なイメージを持つ日本人が多いかもしれない。
でも、広大な国土と地域性豊かな気候に恵まれ、さまざまな文化を背景に抱える移民たちが数世紀に
わたって独自の価値観をつくってきたアメリカは、本来、多様性と変化に富んだ国柄だ。
当然、「食」にもさまざまな魅力がある。アメリカ文化のルーツとも言える北東部ボストンを
拠点に活躍するシェフ兼レストラン経営者のバーバラ・リンチさんの料理を取材した。
◆「故郷の味」
ボストンを中心とするニューイングランド地方は、何百万人に及ぶ移民たちを迎えた海の玄関だった歴史を持つ。
海の幸はもちろん、農業や酪農が盛んで食材に恵まれ、この地方の料理にはいまも多くのアメリカ人が「故郷の味」を感じるそうだ。
「ニューイングランドの人々は『漁師と農家の舌を持つ』と言われています。材料がいいので、シンプルな調理法が定番」
こう話すリンチシェフが最初に振る舞ってくれたのは、特産のハマグリをたっぷり使ったクラムチャウダー。
白ワインで加熱したハマグリの煮汁とミルク、ヘビークリーム(脂肪分36%以上の生クリーム)で、とろとろに煮込む。
ユーコンゴールドというやや楕円(だえん)形のジャガイモを皮まで使い、独特の香ばしさを出すのがリンチ流だ。
「ジャガイモは丁寧に皮をむき、その皮をミキサーにかけて残さず使う。ささっと簡単に作るのではなく、
落ち着いて食材に向き合い、手作りしていくのが本来のアメリカの料理です」
◆風土と歴史に根差す
料理には料理する人の人柄がにじむ、と語るリンチシェフの調理法は、ファストフードとはまったくの別物に思える。
メーン州産の新鮮なロブスターを使った料理もニューイングランド地方を代表する味覚だ。
ボストンの家庭では、専用のロブスターカッターが常備品だという。リンチシェフが腕を振るってくれたのは
「蒸しロブスター、パースニップ・ピューレとマッシュルームのピクルス添え」。パースニップはニンジンに
似たセリ科の根菜で、淡泊ながらもほのかな甘みと苦みがあり、うまみが詰まったロブスターを上手に引き立ててくれる。
デザートにはアップルパイをタルト風に仕上げた「アップル・クロスタータ」が振る舞われた。
リンチシェフは「アメリカには、それぞれの地方に風土と歴史に根差した料理がある。ここにおいしいものがある、
ということをもっと世界の人々に知ってもらいたい」と力を込めた。(EX編集部/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
アメリカ合衆国を訪れる観光客の増加を目的に、マーケティング・PR活動を行うブランドUSAでは、アメリカの
「食」の魅力を紹介するレシピブック「極上のアメリカンフードストーリー」をネット上で公開している。
HP:DiscoverAmerica.com/foodstories
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