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★ 新証言「母・富美子さんと密会のとき」 文藝春秋五月特別号 1
美智子妃のご成婚前から正田家に仕えて来た澤田喜一郎氏(仮名)がいまはじめて語る。
大宅荘一のいう「格子無き牢獄」にいる美智子妃を富美子さんはただ見守るだけだったのか。
澤田氏は「そんなことはありません」とこれを否定した。
「両殿下は御忍びでよく正田家にお見えになりました。
皆さんが思っている以上に来られています。
そのたびに私は『手伝いに来てくれ』と呼ばれるのです。私の役目は、侍従とか女官の相手をすることでした。
お母さまは、お二人が見えられるとほんとにうれしそうなお顔をされていましたね。
夕食はわりと中華料理が多かったと思います。
就寝時間があるのか、食事をすませると、お子様だけ先にお帰しになり、そのあと、
両殿下はゆっくりとすごされました」
美智子妃と富美子さんは思うように電話もできなかったといわれたが、
婚約発表の直後、正田家に引かれた東宮仮御所との直通電話が、ご成婚後は富美子さんの部屋に移され、
その後も使われていたという。
「お部屋にお茶を運んでいくと、お母さまがよく電話されていました。美智子様と
お話されているときはすぐわかるんです。にこにこされていますから」(お手伝いさん)
電話だけですまないときは、その足で東宮仮御所に向かった。