23/05/19 17:10:25.01 PWWA5e67.net
ゴブリンが指摘するようにHIDEチャンは「残念な人生」を送っていた
高齢独身、かつては作曲家を目指したがモノにならず
DTMの末端にしがみつき音楽を職業とする人を嫉妬する
「残念な人生」
──そう、あの日までは
平成も終わりに近づいたある夏の日
夜勤のバイトのため隅田川河口を歩いているとHIDEチャンは河原にキラキラ光る物を見つけた
何かと思い近づいてみると、それは金色に輝く時計だった
「ロレックス?」
HIDEチャンは手に取ってみるが、そんなはずはない
バカな
おもちゃか何かに決まってる!
だがその金のロレックスはずっしりとした重みを持っていた
気が気ではないHIDEチャンは大黒屋門前仲町店にかけこむと、店員に査定をせかした
大黒屋店員は言った
「確かに本物の金のロレックスです」
「それも──」
きわめて希少価値の高いエクアドル製の黄金を用いた通称エル・ドラドと呼ばれる無二の逸品だったのである
予期せずして黄金のアーティファクトを手に入れたHIDEチャンの人生は、ここから変わった
つづく