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男性向けの避妊法は、結局のところ、コンドームかパイプカットのどちらかに行き着く。だが、「ベイサルジェル(Vasalgel)」は、第三の方法になるかもしれない。
サルでの試験が成功したことで、医学で長年変化がなかった男性避妊分野に、大きなブレークスルーが近づいていそうなのだ。
女性向けの避妊法は、ホルモンを主成分とした錠剤や注射から、ペッサリー、避妊リング、膣内リングに至るまで、多くの選択肢があり普及している。
一方、男性側の選択肢が事実上ふたつしかない要因はふたつある。
まず、生物学的な要因だ。毎日何百万個もの精子の産生を止めるより、約1カ月に1回、ひとつの卵細胞が卵管にたどり着かないようにするほうが簡単だ。
もうひとつの要因は単純に、男性向け避妊医薬品の開発分野には、それほど多くの資金助成がないのだ。
(中略)
非営利団体のパーセマス財団が開発したベイサルジェルは、精子が睾丸の外に出ないように、精管(精子を運ぶ管のことで、パイプカット手術で切断され、焼灼される)内に
注入するポリマーゲル(ジェル)だ。
今のところ、ベイサルジェルは何種類かの動物で試されている。論文誌ベーシック・アンド・クリニカル・アンドロロジーで発表された最新の試験結果によれば、
アカゲザルのオス16頭にジェルを注入し、メスと共に暮らす生活に戻した。その後2年間の観察で、妊娠は観察されなかった。
副作用は、本来とは異なる場所にジェルを誤注入してしまい、パイプカットが必要になった事例があっただけだ。
ベイサルジェルで避妊できることが判明し、今度は可逆性も証明されようとしている。インドで試験中の類似手法「RISUG」の可逆性はすでに示されているが、
ヒトでの試験に十分な志願者を集められずにいる。ベイサルジェルの試験は、妊娠を抑止に効果があることは示しているが、今後は大型動物での試験で、
避妊の中断がパイプカット処置より簡単であると示す必要がある。
ソース:MIT Technology Review
URLリンク(www.technologyreview.jp)