17/11/10 18:56:17.50 IRw6Mnj5.net
日本の空を覆い始めたパイロット不足の難場
今の養成スタイルでは需要を埋めきれない
URLリンク(news.infoseek.co.jp)
北海道を地盤とする地域航空会社のAIRDO(エア・ドゥ)が11月6~25日までの期間中に、
羽田―札幌線と札幌―仙台線の2路線で計17往復34便を運休している。
■たった2人の退職が正常な運航を妨げる
理由はパイロットの不足だ。39人いたボーイング737型機の機長のうち2人が退職し、その穴埋めができなかった。
12月以降も場合によっては運休が続く可能性もある。全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)といった
大手航空会社に比べて規模が小さい航空会社とはいえ、たった2人の退職が正常な運航を妨げてしまうほど、
パイロット不足は航空業界にとって課題になっている。
国土交通省は2022年時点における日本全体のパイロットの必要数を6700~7300人とする予測を発表している。
LCC(格安航空会社)も含めて国内外で航空路線がどんどん拡充されているためだ。
一方、2017年における日本のパイロット総数は約5700人。この先5年間に最低でも1000人のパイロットの補充が必要となる計算だが、
この間に年間100人のパイロットが退役するという試算もある。つまり、実際には5年間で1500人、
年間平均300人のパイロットを新たに確保する必要が生じている。
ボーイングやエアバスは将来の大幅な航空機需要の増加に伴ってパイロット、整備士の需要が大きく増えると予測している。
たとえばボーイングは2017年から2036年までの向こう20年間に全世界で63万7000人のパイロットが不足するとの試算を発表している。
航空機メーカーの期待値が当然含まれ、まともにとらえるわけにはいかないものの、すでにパイロット不足が現実の問題
となっていることには間違いない。
ただ、「世界的なパイロット不足」の問題は国により、地域により、また航空会社各社によりそれぞれ違う。
■10年ほど前と同じ手は使えない
ひるがえって日本を見ると、今後は2030年問題が指摘されている。
現役パイロットの年齢分布は現在40代後半から50代前半に非常に大きな山があり、この人たちが2030年以降の10年間、毎年250人規模で退役する。
しかもそのほとんどが機長である。
パイロットの大量退役問題は団塊の世代が退役を迎えた10年ほど前にも起きたのだが、その時はパイロットの身体検査基準を緩和し、
定年を60歳から段階的に68歳まで延長することによりある程度はしのぐことができた。しかし、今度はもうその手は使えない。
解決策がないわけではない。
ボーイング社は、先頃、自律飛行システム(いわゆる無人機)の開発を手掛けるAI企業への投資を発表し、
世界のパイロット不足の解決策の1つと位置づけている。人間の英知による技術の進歩は限りなく、しかもその速度は速い。
しかし、無人機の到来に期待して、はたしてそんな時代が到来するのを指をくわえてじっと待っていられるのか。
とにかく航空界に人を集めることである。それも機長になれる有為な人材を。パイロットが魅力ある職業であることは言を俟(ま)たない。
その証拠に自社養成パイロットの競争率は現在では300倍から400倍といわれている。
多くの若者はできることならパイロットになりたいと思っているのに、それを阻んでいるのはパイロットになるためのコストとリスクだ。
自社養成はこのコストとリスクの双方を軽減してくれる最良のシステムであると思われる。
確かに航空会社の負担は一時的に増えるものの、航空業界の発展のための投資と見れば安いものである。国も相応に支援することが不可欠である。
また、これまで定員割れしていた私大での養成は近年定員を充足するようになり、今後はさらに期待できる。
しかしながら、4年間の学費を含め、2000万~3000万円の費用を要することからさらなる奨学金制度の充実が求められる。
航空大学校は養成規模を一気に5割も増やしたが、教官の確保や機材の調達などの教育環境が整い、安定的に質のよいパイロットを養成するまで
には相応の時間を要するとみられる。
米国には自社養成の制度は存在しないが、業界最低賃金のメサエアーは時給を22ドルから40ドルに引き上げ、
さらにボーナスや長期の契約などを提示することにより人材を確保しようとしている。
この例を見るまでもなく、多くの若者に夢だけでなく現実的な報酬と安定的な待遇を与えなければ有為な人材は確保できないということだ。
日本では、過去にあったようにパイロット不足を外国人パイロットに頼るという選択肢は最早ない。