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【天守閣:木造復元に脚光 コンクリ耐用年数近づき】
毎日新聞 2015年06月15日 12時44分
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全国各地の城下町で、「天守閣の木造復元」構想が進んでいる。戦災復興のシンボル
として高度成長期の「昭和の再建ブーム」に建てられた天守閣の多くはコンクリート製で、
50~80年とされる耐用年数が近づいているためだ。巨額の復元費用や大量の木材調達
など課題が山積する中、再びブーム到来なるか。
金のシャチホコで有名な名古屋城(名古屋市)の天守閣は1945年の空襲で焼失したが、
59年に江戸時代初期の外観そのままに復元された。鉄筋コンクリートは「二度と燃えない
ように」との市民の願いがこもる。だが「時代は移ろい、本物志向が高まっている」と市の担
当者。内部のエレベーターに落胆する観光客も多いという。
市は2006年度、コンクリートの耐震改修計画をまとめたが、09年に初当選した河村たか
し市長が木造復元構想を打ち出し、計画を凍結。昨年9月には、耐震改修と木造復元の課
題を比較検討する調査を始めた。木造復元の要となる国産ヒノキは流通量が年々減少し、
将来的に確保できる保証はないが、徐々に劣化するコンクリートの建造物は耐用年数が
50~80年程度とされ、専門家からは「耐震改修は延命措置に過ぎない」(三浦正幸・広島
大教授)との指摘も。市は17日にも「早めの木造復元が望ましい」とする調査結果を市議
会に報告する予定だ。
悩みは270億~400億円と試算された工事費だ。耐震改修なら29億円で済むため、木
造復元構想を疑問視する市民も少なくない。市の担当者は「多額の税金を使う以上、市民
の理解は不可欠。長期的に見てどちらが税金の有効活用か、丁寧に説明したい」。賛同者
の寄付も視野に入れるが、実現するかはこれからの議論だ。防火対策など厳しい法規制を
クリアする必要もある。
江戸時代の天守閣が残るのは犬山城(愛知県犬山市)や姫路城(兵庫県姫路市)など12
城。その他は1950~60年代に建築されたコンクリート製が大半で、木造復元の議論は各
地で熱を帯びる。
60年に再建された小田原城(神奈川県小田原市)。市民らが木造復元を目指すNPO法人
を2年前に設立、木造復元に必要と試算する49億円のうち寄付で20億円集める目標だ。同
城は来月から耐震改修が始まるが、市は将来的な木造復元を見据えて小規模な改修にとど
め、費用を3分の2に抑えた。同市観光課は「名古屋がうまくいけば、我々にも追い風になる」
と注目する。
崩壊の危険性が指摘された松前城(北海道松前町)では、町が今春、町内11カ所で復元
計画の住民説明会を開いた。年間の一般会計予算が50億円規模の町にとって、木造復元
の20億円は重く、町の担当者は「もっと町民の機運が盛り上がらないと」とこぼす。
一方、1931年に再建された大阪城(大阪市)はコンクリート製のおかげで戦火を免れたと
される歴史があり、最新の技術を駆使し、耐震改修主義を貫く。文化庁は「それぞれの城の
歴史や文化を尊重し、議論してほしい」としている。
◇天守閣の木造復元を目指す主な動き
事業費
名古屋城 (名古屋) 270億円~400億円
小田原城 (神奈川) 49億円
松前城 (北海道) 20億円
江戸城 (東 京) 350億円
駿府城 (静 岡) 240億円~250億円
◇木造復元された天守閣の事業費(完成年)
掛川城(静 岡)11億円(1994年)
大洲城(愛 媛)13億円(2004年)
現在の名古屋城の天守閣は1959年に再建され、多くの観光客が訪れる=名古屋市中区で2015年6月13日午前10時35分
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