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北川死刑囚の刑執行 高知市の女性行員殺害
昭和５８年から平成元年にかけて、高知市と千葉市で銀行員ら若い女性２人を殺害するなどして、強盗
殺人、死体遺棄罪などに問われ、最高裁で上告が棄却されていた本籍千葉市美浜区、住所不定、北川晋
（すすむ）死刑囚（５８）の死刑が１６日、収監先の大阪拘置所で執行されたことが関係者の話で分かった。
北川死刑囚は平成６年２月、高知地裁で高知市内の女性銀行員殺害について死刑、千葉市内の女性店員
殺害は無期懲役の判決を受けた。
同死刑囚側は「殺害方法の細部に事実誤認がある」などと控訴したが、高松高裁は７年３月に控訴を
棄却。同死刑囚側は「死刑は違憲だ」と上告したが、最高裁も１２年２月、「犯行は冷酷、非道で、死刑
はやむを得ない」と上告を棄却した。
判決によると、同死刑囚は平成元年２月、高知市旭町３丁目の電車通りで、帰宅途中だった高知銀行旭
支店の女性行員＝当時（２４）、吾川郡＝に道を尋ね、車に誘い込んで絞殺。現金２万円を奪った後、遺体
を同市行川の道路下に捨てた。
また昭和５８年８月に、千葉市内の店員＝当時（１８）＝を自宅に送ると言って車に乗せ絞殺し、１万５０００
円を奪った。平成２年９月にも２回、高知市内で女性を車に乗せ、金を奪おうとした。
墓前に報告したい
１６日昼、北川死刑囚の死刑執行を自宅で聞いた被害者の母親（６５）は「そうですか…」と言ったきり、
涙があふれて言葉にならなかった。
父親（７０）は「この日が来るまで長いようで、短かった。ほっとしたというか、私の人生の一つの区切
りになった。一日も事件のことを忘れたことはなく、ずっと娘の仏壇に祈り続けてきた。北川を許すわけに
はいかないが、最後は罪を反省していたと思う。娘の墓前に報告したい」と気丈に話した。
死刑執行１年ぶり
死刑の執行は昨年９月１４日の前回執行から約１年ぶり。小泉内閣では５回目で、執行されたのは計８人となった。
今回執行を命じたのは南野知恵子法相で、南野法相による執行命令は初めて。前回執行は、死刑確定から
約１年しかたっていなかった校内児童殺傷事件の宅間守死刑囚（当時）ら２人だった。
死刑の執行は、法相の執行命令が出なかったことによる約３年４カ月の中断を経て、後藤田正晴法相当時
の５年３月に再開。再開後の執行は今回で４７人となった。
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