24/05/21 22:54:53.05 BG/oPbds.net
オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングと台湾積体電路製造(TSMC)には、中国が台湾に侵攻した場合に世界で最も高度な半導体製造装置を停止させる手段がある。事情に詳しい関係者が明らかにした。
米政府の当局者はオランダ、台湾両政府に対し、世界の先端半導体の大半を生産している台湾に対する中国の圧力が侵攻にエスカレートした場合にどうなるかについて、内々に懸念を表明している。関係者2人が匿名を条件に語った。
オランダ政府がこの脅威についてASMLと協議した際、同社は製造装置を遠隔操作で無力化することができると、当局側に説明したと別の2人の関係者が述べた。関係者によると、オランダはよりきめ細かいリスク評価をするため、想定される侵略についてシミュレーションを行った。
ASMLとTSMCの広報担当およびオランダ貿易・開発協力省の報道官はコメントを控えた。
ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)と米国防総省、米商務省の報道官は電子メールによるコメント要請に応じなかった。
遠隔操作での停止は、ASMLの極端紫外線(EUV)露光装置に適用される。同装置はTSMCが最大の顧客。EUV露光装置は高周波の光波を利用し、人工知能(AI)用途やより繊細な軍事用途の半導体製造に用いられる。
市バスほどの大きさのEUV露光装置は、定期的なメンテナンスとアップデートが必要で、その一環として、ASMLは同装置を遠隔操作で強制的にシャットオフすることが可能。ASMLは、1台2億ユーロ(約340億円)以上で販売されるこの装置を製造する世界唯一のメーカー。
半導体競争
ASMLの技術は長い間、望ましくない利用者の手に渡るのを防ぐ目的で政府の介入を受けてきた。例えばオランダ政府はASMLがEUV露光装置を中国に販売することを禁じている。世界的な半導体競争で中国が優位に立つことを米国が恐れているためだ。
オランダが今年、ASMLの2番目に高性能な半導体製造装置の輸出を停止し始めたのも、米国の要請によるものだった。ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、この禁止措置が発動される以前から、米当局はASMLに対し、中国の顧客向けに予定されていた出荷の一部をキャンセルするよう要請していた。
同社は、今年の中国向け売り上げの15%程度が、直近の輸出規制措置の影響を受けると予想している。
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)