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LINE「完全国内化」でかすむ世界第三極構想
URLリンク(business.nikkei.com)
LINEは中国において、関連会社や現地の法人、そして韓国のネイバー子会社などに、
サービスの開発や監視(モニタリング)業務を委託していた。
中国は2017年に国家情報法を施行している。これは国家の情報収集への協力を民間企業に義務付けるものだ。
これまで委託先にその要請はなく、情報漏洩はなかったとLINEは主張する。だが、個人ユーザーはもちろん、LINEが売り込みを積極化し、
ユーザーを増やしてきた政府や自治体はこれを不安視した。
日本では約900の自治体がLINEで公式アカウントを持つ。地域の情報だけでなく、域内の新型コロナウイルスの感染拡大状況や災害などの
有事に向けた情報を届ける手段として積極的に活用してきた。
神奈川県は20年8月、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるべくLINE執行役員を
県のCIO(情報統括責任者)兼CDO(データ統括責任者)に任命した。
こうした連携は、国内で8600万ユーザーを誇るLINEがインフラと化している証左ともいえる。
会見で出澤社長は「中国での開発を長い間続けてきた。潮目の変化を見落としていたというのが偽らざるところ」と、
法改正による影響を見過ごしていた点を明らかにした。
LINEの管理体制を国も問題視している。武田良太総務大臣は3月19日、総務省としてLINEアプリの利用を一時停止すると発表。
また、キャッシュレスサービスの「LINEペイ」の取引情報などが韓国のサーバーに置かれていた点について、
金融庁は23日までに資金決済法などに基づく報告徴求命令を出した。
金融業界の関係者は「プライバシーデータを海外の開発拠点で持つということはまず考えられない。顧客データは国内で持つのが基本。
海外拠点の開発先に対して顧客データにアクセスできる権限を渡すというのはやはり非常識といわざるを得ない」と指摘する。
ZHDが米国発のGAFAや中国のBATなど、海外のメガプラットフォーマーに対抗して第三極を目指す上での1つの強みが、
日本で培った防災技術を活用して、東南アジアの国々の自治体と住民を結び付ける戦略だった。
タイや台湾でも日本のように現地の自治体とLINEが提携する動きもあるという。だが、災害情報は、安全保障上の脆弱性を示すものでもある。
もし台湾でのLINEのデータを中国で見ることができるとしたら―。LINEが委託した中国の企業は、タイムラインなど
オープンな場での不適切な投稿や、ユーザーによって「通報」されたユーザーのトーク内容をモニタリングしていたという。
わいせつ表現やスパム行為などが中心だが、「不適切」の範囲はLINEのコントロール下にある。
ここはユーザーや自治体にとっても不安な点だ。LINEの国境を越えたデータ管理の甘さは、
安全保障の新たなテーマにも発展する可能性がある。
LINEに限らず、ITサービスの分野では優秀な人材やチームがグローバルで開発するのは一般的だ。
LINEもこれまで、日本と韓国、中国、台湾、タイ、インドネシア、ベトナムの7つの国と地域で「連携しながら開発してきた」(出澤社長)。
LINEのもともとの親会社が韓国のネイバーだったこともあり、国境をまたいだチームで新たなサービスを開発することが多かった。