19/06/17 20:06:59.70 CAP_USER.net
パッケージソフトウエア製品やクラウドサービスをグローバルで展開する巨大ITベンダーといえば、そのほぼ全てが米国企業だ。グーグル(Google)やアマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)、マイクロソフト(Microsoft)、オラクル(Oracle)……。当然、人月商売に明け暮れる日本の大手ITベンダーはグローバルどころか、国内でも存在感が薄くなる一方で、その差にもはやため息すら出ない。
だが、唯一の例外がある。言わずと知れたERP(統合基幹業務システム)最大手の欧州SAPだ。ドイツが生んだこの巨大ITベンダーは今のところ、オラクルやマイクロソフトなど米国のITベンダーの挑戦を退け、ERPで世界トップシェアを維持している。
実は、私にとってこのSAPは謎だった。なぜドイツで米国企業をしのぐ巨大ITベンダーが誕生したのか。だってそうだろう。「ドイツは日本と似ている」というイメージがある。ものづくりが得意な国であり、堅実で保守的。日本と同様、米国の西海岸、特にシリコンバレーとは対極の存在に思える。
そもそも米国以外の国に、パッケージソフト製品の分野で巨大なグローバルプレーヤーが誕生したこと自体が謎だ。そのうえ、日本とよく似たドイツが発祥の地となると、謎はさらに深まる。日本のIT業界の惨状を見ると、とてもじゃないがドイツ生まれのITベンダーが成功する余地は無いと思える。
日本の大手ITベンダーもかつて、SAPをまねて自社開発の業務パッケージソフトをERPとして育てようとした。だが、独自の基幹系システムの構築を求める客