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2018/10/18
人生100年時代の金融転換(大機小機)
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老後の期間が限られた「人生60年時代」においては、金融ニーズも現役世代の中で完結した。
しかも、旺盛な企業の投資需要や住宅ニーズを背景に、集めた貯蓄の貸出先はいくらでも存在した。
商業銀行が預貸業務だけでもうけられる時代だったのである。
20年以上の老後が生じる人生100年時代では、こうはいかない。現役世代内での資金仲介が中心だった金融は、
高齢者への資金仲介や高齢者のニーズを踏まえた姿に転換する必要がある。長期間の老後に備えて資金を蓄え、
かつ運用で財産形成を志向する金融が中心になる。また、公的年金を通じて高齢者の資金ニーズを賄う必要が生じる。
預貸業務から、資産の管理・運用を代行するアセットマネジメントへの転換だ。
人生60年の時代には、金融緩和で金利を引き下げれば企業収益を改善させる好循環をもたらし、
時として景気過熱、インフレをもたらすこともあった。一方、人生100年時代の今日は企業の資金需要が飽和した
カネ余り時代でもあり、金利低下の効果は限定的だ。
逆に、金利の引き上げは金融資産を持つ高齢者の所得を増やし、消費をサポートする効果が期待できる。
つまり、人生100年時代の金利上昇は善なのだ。
以上の変化を踏まえると、今日の金融政策の超低金利策がミスマッチをもたらしてはいないかと思えてくる。
超低金利策は確かに、円安・株高の好循環をもたらし、財政の改善にも成果があった。
しかし、個人消費の回復が遅れる背景のひとつに、人口動態の大きな転換が生じていることを見落としている面もあるのではないか。