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★元早稲田大学教授植草一秀メルマガ・第1530号 GPIFの運用体制全体が巨大欠陥である 2016/09/03一部抜粋
①世界最大の年金運用資金。
それが、
GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人である。
2015年6月末は残高が141兆1209億円だった。
これが、本年6月末には129兆7012億円になった。
1年間で11兆4197億円減少した。
8.1%の減少である。
国民の老後の生活を支える年金資金。
それが、1年間で11兆円も減ったのだ。 笑って済ませられる問題でない。その理由は単純明快だ。
安倍政権は年金運用改革の看板を掲げて、2014年10月末に年金資金運用の基本を大転換した。
これまでは、年金資金は国民の大切な老後資金だから、できるだけ安全に運用することを基本に置いてきた。
安全に運用するとは、リスクの大きい資産にはあまり資金を投入しないということだ。
金融の世界でリスクの大きい資産とは、
株と
外貨資産だ。 だから、株と外貨資産への資金配分を抑制していた。
ところが、2014年10月31日に、安倍政権は年金資金運用の基本を大転換した。
株と外貨資産への資金配分比率を一気に引き上げたのだ。
ところが、金融市場の潮流は2015年6月を境に大転換した。
それまでの
円安=株高 の基本構図が
円高=株安 の基本構図に転換した。
ドルが上がるときには外貨資産を多く持てば大きな利益を得られる。
株が上がるときには株式を多く持てば大きな利益を得られる。
しかし、逆に
ドルが下がるときにドル資産を大量に保有していれば大きな損失が生まれ、
株が下がるときに株式を大量に保有していれば大きな損失が生まれる。
当たり前のことだ。