16/08/14 09:38:56.09 CAP_USER.net
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日の丸液晶会社、ジャパンディスプレイ(JDI)が資金繰りに窮している。液晶パネルの販売が振るわず、筆頭株主の産業革新機構に数百億円の
金融支援を要請した。JDIが経営破綻すればアベノミクスの失敗の証明になりかねないだけに、実質的に経済産業省の
別動隊である革新機構は面倒を見ざるを得ない。JDIはそれを見越している。
JDI会長兼最高経営責任者(CEO)の本間充氏は8月9日の東京証券取引所での記者会見で、「革新機構から全面支援を取り付けている」と語り、
「事業運営に一切懸念はない」と強調した。JDIは本間氏がワンマン体制を敷いている。
シャープの液晶部門を分社化して、革新機構が追加出資してJDIと合併させるというシナリオが練られたが、シャープは鴻海精密工業の軍門に下り、
JDIの窮状が一段とはっきりしてきた。
革新機構の内部には「上場までさせ、出口戦略を確定させた。JDIの融資の要請に安易に応えるのは、ファンドの役割を逸脱している」との正論もあるようだ。
それでも革新機構はシャープ+JDIの新会社に東芝の白物家電をくっつけるというウルトラCまで用意し、JDIの経営にコミットしてしまった。
ここで引き返すことはできないのだ。
本間氏は「全面支援」と明言したが、革新機構の具体策が決まっているわけではない。銀行によるJDIへの融資に債務保証をつける案を中心
に検討されることになるとみられている。
JDIが8月9日に発表した2016年4~6月期の連結最終損益は、117億円の赤字(前年同期は4.6億円の赤字)となった。
営業損益段階ですでに34億円の赤字(同22.4億円の黒字)に転落した。
JDIは5月に4~6月期の売上高と営業利益の予想のみを公表、4~9月期(上半期)も17年3月期の通期予想も開示しなかった。
実際の4~6月期の業績は、売上高は前年同期比29.2%減の1743億円、営業損益は10億円の黒字予想から一転して34億円の赤字に陥った。
米アップルや中国のスマートフォン(スマホ)メーカー向けの液晶パネルが苦戦。円高による為替差損も重荷になったというが、
為替の急激な変動を除く、こうした悪条件は5月の段階でほぼ見通せたはず。JDIの決算見通しは、ことほどさように信用できないのだ。
4~9月期の売上高は24.3%減の3843億円、営業損益は24億円の赤字を予想している。前年同期は105億円の営業黒字だったから、
4~9月期としては2年ぶりの赤字だ。17年3月期の業績予想は「算定が困難」として、また開示しなかった。
本間充会長兼CEOの役割
15年6月末に、元三洋電機副社長の本間氏が、新設された会長兼CEOに就任した。社長兼最高執行責任者(COO)には有賀修二取締役が昇格した。
親会社の官民ファンドの革新機構は同年6月30日、日産自動車副会長の志賀俊之氏が、非常勤で会長兼CEOに就いた。
会長になった本間氏は、三洋時代に「電池の顔」といわれた人物。三洋が銀行管理になっていた時、三井住友フィナンシャルグループと
ゴールドマンサックスから副社長が送り込まれたが、本間氏は生え抜きで唯一、副社長として経営を担い、「将来の三洋の社長候補」といわれていた。
三洋はパナソニックに吸収されたが、パナソニックの津賀一宏社長とソリが合わず、13年に退社した。
「本間氏は、三洋でハイブリッド専用の電池をやっていた。ハイブリッド用電池はパナソニック=トヨタ連合と、三洋=ホンダ連合が勢力を二分する
ライバル関係にあったから、パナソニックでの本間氏の立ち位置は微妙だった」(関係者)
捨てる神あれば、拾う神ありだ。本間氏に手を差し伸べたのが経産省=革新機構だった。13年、水面下で“日の丸電池”統合構想が進められていた。
革新機構主導でソニーの電池子会社と、日産自動車とNECの合弁電池会社を経営統合。新会社に革新機構が出資し、社長に本間氏を据えるというシナリオだった。
ところがソニーが電池事業を自前でやると言い出して離脱したため“日の丸電池”構想は白紙に戻った。革新機構は、JDIのトップに据えることで
本間氏に借りを返したことになる。