16/08/08 12:33:10.87 CAP_USER.net
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6月27日、居酒屋・外食チェーンなどを運営するワタミが、ある新聞広告を大々的に打ち出した。そこに「私たちワタミは、
一連のブラック企業批判に対して、その理由と要因にしっかりと向き合い、働き方や社会との関わり方をはじめアイデンティティーを聖域なく見直しました」という一文がある。
昨年末、従業員の過労自殺を巡って、遺族と争っていた裁判が和解に至ったワタミ。渡邉美樹前代表取締役が謝罪するなど、
今やすっかり「ブラック企業」の代名詞になっている。そんな同社は、前期の広告の通り、生まれ変わることができるのか。数字を読み解く事で、の可能性に迫りたい。
危機水準から立ち直りつつあるワタミ
まず、ワタミの総資産に占める負債以外の割合を示す自己資本比率から見ていきたい。
自己資本比率は危険水準に達していた昨年の7%台から40%弱へと、急速に回復している。その理由は、昨年12月に外食と並ぶ収益の柱となっていた
介護事業を、今年3月に環境事業の一部であるメガ・ソーラー事業を、それぞれ売却し、負債を一気に減らしたためだ。
続いて、昨年度のセグメント別の売上高と利益はどうなっているのか。
外食と、新規事業である環境や農業の分野が赤字を出すなか、宅食以上に利益を上げていたのが介護事業だ。
入居者の死亡が相次ぎ、居酒屋同様の人手不足が指摘されるなどブラック化が著しい介護事業だが、売上高・利益ともに苦境のワタミを支えていたのだ。
その介護事業と、以前からの投資が実って少額ながらも利益を出していた環境事業の一部の売却によって、ワタミは差し引き90億円以上のキャッシュを増やした。
依然として行き詰まる外食事業
これで当面の資金繰りには困らず、じっくり腰を据えて会社の再建に取り組めるという見方もできる。
しかし、そもそもワタミは外食事業での出店・売上増の行き詰まり、ブランドイメージの悪化の果てに、介護事業などに経営を多角化したのだ。
それなのに赤字事業に一本化してしまった。当然、「和民」「坐・和民」などの本業を立て直せなければ会社の存続そのものが危ぶまれる
図を見れば明らかなように、たった2年あまりで全体の3割に及ぶ200店舗弱を閉店。本年度に入っても店舗数は依然として減り続けている。
既存店の売上も前年比でプラスになったのは4月だけだ。そんな崖っぷちの状態でワタミは新聞広告を出したのだ。
ワタミの居酒屋が落ち込んでいる最大の要因は、同居酒屋が伸びていたデフレ時代が終わったことだ。事実、従業員にしっかり
と給料を還元しながら、味やサービスの面でも客に訴求できる「鳥貴族」や「塚田農場」といった外食チェーンは順調に伸びている。