16/06/24 07:17:21.79 CAP_USER.net
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あまりに衝撃的なため、市場関係者はこの一件を「佐藤ショック」と名付けたほど。日銀マンが公に向けて話をする場で、
まさかの「黒田批判」を繰り広げた。その驚くべき「全文」をお届けしよう。
ついに内部分裂
日本銀行で前代未聞の「反乱」が勃発した。
6月2日、日銀幹部の佐藤健裕氏が北海道釧路市で開かれた金融経済懇談会で、黒田東彦総裁が進める一連の金融政策に対して、
「痛烈批判」をぶち上げたのである。
佐藤氏は元モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストで、'12年から日銀政策委員会審議委員を務めている。
審議委員は、日銀の最高意思決定機関である政策委員会で総裁、副総裁に次ぐポジション。そんな中枢の大幹部が異例の
「内部批判」を繰り出したのだから、マーケットには激震が走った。
「この日の午後にはその発言の一部が市場に流れ、『日銀に分裂が起きた』と駆け巡った。海外ヘッジファンドは即座に動いて、
為替市場では円が急騰。日経平均株価も400円近く暴落した」(外資系証券会社幹部)
市場では「佐藤ショック」としてすでに語り草となっており、いまだにその余波は収束しない。
佐藤発言はそれほどの爆弾だったわけだが、事なかれ主義の大新聞やテレビはその内容を一部しか報じようとしない。そこで本誌が、その「全文」を明らかにする。
佐藤発言がなにより衝撃的なのは、「ボス」にあたる黒田総裁の政策にこれでもかと批判を投げかけている点にある。
「『量的・質的金融緩和』の開始から3年余りが経過した。
私の理解では、この政策はあえて大胆な手法を採用することで人々の予想形成に訴えかける一種のショック療法で、
当初2年程度の期間を念頭に置いていたことに示されるように、少なくとも私はあまり長く続けることを想定していなかった。
それゆえ'14年10月に『量的・質的金融緩和』を拡大し、さらに本年1月にマイナス金利の採用まで至ったことには複雑な思いである」
佐藤氏はそんな赤裸々な胸の内を明かしたうえで、黒田総裁の肝煎りで始まったマイナス金利政策への「反対意見」を堂々と述べるのである。
「マイナス金利について反対の理由をあらかじめ申し上げると、まず、マネタリーベースの拡大とマイナス金利の採用は
本質的に矛盾があり持続性に欠けると思う。
また、マイナス金利政策は緩和効果をもたらすどころか、むしろ引き締め的であるとも考える。
さらに、マイナス金利政策は金融システムの安定性に影響を及ぼす可能性があるとも考える」
マイナス金利が年金を脅かす
黒田総裁はマイナス金利政策について「投資の空前のチャンス」などとバラ色の経済効果が生まれると謳うが、
佐藤氏は期待できないと真っ向から否定。むしろ「負の影響」をもたらしているとの批判を繰り広げる。
「1月会合(注・日銀がマイナス金利政策の導入を決めたのが1月の政策決定会合)後ほどなくして株式市場は銀行株を筆頭に急落し、
為替市場は円高となった。またMMF(公社債投信の一種)や中期国債ファンドといった安全運用商品の募集停止・繰り上げ償還の動きが相次いだ。
これらを受け、マインドも悪化した。預金の目減りへの不安感はもとより、マイナス金利という奇策を取らねばならないほど
日本経済は悪化しているという誤った認識が浸透したことが要因と思われる」
実際、これは庶民がマイナス金利政策に対して感じている肌感覚と一致するものだろう。
日銀現役行員も言う。