16/05/19 12:06:12.94 CAP_USER.net
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前回の記事で、米政府が「パナマ文書」を公開した本当の目的は、アメリカがタックスヘイブンとなることで、
世界の富裕層の資金をアメリカに集中させることであると書いた。
「パナマ文書」は「ICIJ(国際調査ジャーナリスト連盟)」によって内容が選択的に公開されている文書である。
「ICIJ」はジョージ・ソロスの「オープンソサイティー」や「フリーダムハウス」など、米政府系のNGOが資金の過半を提供している
アメリカの国策機関だ。(未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ・高島康司)
上昇し続けるNYダウの不可解を解くカギは「パナマ文書」にあり
他国のタックスヘイブンを潰し、米国内のタックスヘイブンを保護する
今回公開された「パナマ文書」には、各国の著名人の名前はあるもののアメリカ人の名前はほとんど含まれていない。
ましてやアメリカの政治家の名前はまったくない。パナマはアメリカの実質的な属国なので、
アメリカの著名人がパナマをタックスヘイブンとして使っていないとは考えにくい。
【関連】日本の大マスコミが報道しない「パナマ文書」暴露、本当のタブー=吉田繁治
「パナマ文書」の内容はすべてが公開されているわけではない。「ICIJ」が内容を選択している。
ということは、「ICIJ」は意図的にアメリカ人の名前は公開していないと理解して間違いないだろう。
では、他の国々の著名人の名前は公開してもアメリカ人の名前は非公開にする目的はなんだろうか?
それは「パナマ文書」の公開により海外のタックスヘイブンを潰して、アメリカ国内の租税回避地に世界の富裕層の資金を集中させることにある。
2010年にアメリカは「外国口座税務コンプライアンス法(FACTA)」を制定した。この法律は2013年から施行されている。
「FACTA」は、海外に金融資産を持つアメリカ人に資産の米国税庁(IRS)への報告を義務付けた法律である。
また、海外の銀行にもすべての口座内容を米国税庁に報告し、アメリカ人がいないことを証明することを要求している。
またOECDは、アメリカの「FACTA」にならい、「共有報告基準」なるものを策定した。これはタックスヘイブンを壊滅するために、
各国の政府に銀行の口座内容を透明化させ、それをOECD諸国で共有できるようにした規約である。この規約の成立後、
名義人を隠した秘密口座を持つことは難しくなるため、タックスヘイブンを作ることは困難になる。
一方アメリカは、OECDの「共有報告基準」には加盟していない。これは、アメリカは自国の法律の
「FACTA」を楯に他の国々の銀行には口座を開示するように迫るものの、「共有報告基準」には加盟していないので、
アメリカ国内の銀行の口座は開示する義務はないということを示している。
つまり、他の国々のタックスヘイブンは壊滅させるものの、米国内のタックスヘイブンは米政府が保護するということである。
事実米国内には、ワイオミング州、サウスダコタ州、ネバダ州、デラウエア州などの4州がタックスヘイブン化している。これらの州では法人税や所得税は極端に低い。
富裕層の資金がアメリカ国内の租税回避地に集中
「パナマ文書」が公開されてから、資産の秘密が暴かれることを恐怖した世界の富裕層は、資産をもっとも安全な
タックスヘイブンであるアメリカに移動させる動きを強めていると考えられる。
他方アメリカは、中小企業を中心に利益が大幅に減少し経営が悪化している。こうした企業は社債の販売によってなんとか
運転資金を得ている状況だ。社債は企業の債務にほかならない。いま米企業の債務は、時価総額の35%にまでも膨らんでしまっている。
もしこの状況で社債市場が下落すると、社債の販売で運転資金を得ることができなくなるため、多くの企業の連鎖的な倒産が起り、
これが新たな金融危機の引き金になる可能性が出てくる。
海外のタックスヘイブンを潰し、富裕層の資金をアメリカの租税回避地に集中させると、これらの資金のうちかなりの
割合が米国内で投資されるので、社債市場や株式市場が大きく暴落する危険性はほとんどなくなる。米中小企業の連鎖的な倒産も回避される。
「ICIJ」が「パナマ文書」の内容を選択的に公開したのは、富裕層の資金をアメリカに集中させ、
金融危機を回避するという米政府の目的があった可能性は非常に高い。
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