16/02/23 14:20:35.14 CAP_USER.net
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
(ブルームバーグ):日本で3年働いてお金をため、中国でマイホームを建てる。2013年に来日した際、唐夕利 (トウ・ユウリ)さん(35)は
そんな希望を抱いていた。しかし今は労働組合のシェルターに身を寄せる。派遣された会社の待遇に耐えかねて逃げて来たのだ。
日本に来る中国人は爆買いする観光客ばかりではない。
唐さんは中国東部の儀征市出身。シェルターのある岐阜県羽島市でインタビューに応じた。実習生になろうと3万元(約52万円)
以上を中国の送り出し機関に払った。3年後には500万円程度を貯金して帰国できるという触れ込みだった。
現在9歳になる娘を残して単身で来日し、タカラ繊維(香川県小豆郡)で約30人の中国人実習生と共に働き始めた。
唐さんの説明によると、仕事は午前7時から午後8時半すぎまで昼休みを挟み13時間半、
時給は9時間が香川県が定める最低賃金程度の700円で、残業と土曜勤務は400円だった。
寮では1部屋を5人でシェアすることもあり、ボタン付けや糸くず取りの内職もした。こちらは時給ではなく単価の出来高払い。作業は午前2時ぐらいまで続くこともあったという。
家賃や光熱費、福利厚生費、インターネット料金が天引きされ、直近の手取りは月14万円程度、
儀征市時代に比べ給料は2倍になったが仕事量も2倍になったと唐さん。携帯電話を持つことは禁止され、
一時帰国の際は預金通帳を会社に預けさせられたという。唐さんは「日本に来たことを本当に後悔しているし、
友人にも勧めない。苦しんでほしくないから」と語った。唐さんによると、未払い賃金は350万円程度あるという。
タカラ繊維の真砂吉弘常務は、唐さんの労働条件に関してはコメントを控えるとした上で、経営に外国人労働者は不可欠だと話す。
日本人は募集しても集まらず、政府と企業には「考え方にねじれがある」と指摘。外国人を単純労働者として
受け入れる制度を政府は作るべきだと主張する。実習生は賃金を得たくて日本側は人手不足を埋めたいという「利害関係だけが一致している」と話す。
外国人技能実習制度は1993年に創設された。法務省によると、2012年末から15年6月末までに約20%増え、
18万人以上が利用する。厚生労働省によると、農業、漁業、建設、食品製造、繊維などの分野の72職種で受け入れ、
ソーセージや段ボール箱製造など単純労働もある。制度の本来の目的は技術普及を通じて国際貢献を図ることにあるが、
政府や関係者への取材で見えてきたのは、実際には外国人を安価な労働力として使う抜け道となっている事実だ。
単純労働者
厚労省は14年に実習実施機関に3918件の監督指導を行った。うち76%で労働基準法違反が認められたと企業名を明かさず発表。
違反には最低賃金の半分近い時給約310円での就労や、月120時間の残業(労働基準法では原則最長月45時間)、
安全措置が講じられていない機械などがあった。法務省入国管理局は14年中に241の受け入れ団体と企業に対して
最大で5年間の受け入れ停止命令を出した。
米国務省は15年の人身売買報告書で、実習制度の中で労働者が強制労働の状態を経験しているとし、
借金による束縛、パスポートの押収、拘束といった実質的証拠があるにもかかわらず、日本政府は強制労働の被害者を把握していないと指摘した。
同報告書によると、実習生の中には最高で1万ドル(約113万円)を支払って職を得て、辞めようとすると数千ドル相当が没収される契約で働く
者もいるという。過剰な手数料や保証金、「罰則」の規定も報告されていると指摘した。
国連薬物犯罪事務所によると、人身売買とは搾取を目的に強制的あるいは詐欺などの不正な手段によって人の身柄を獲得すること。
また強制労働の被害者は借金によって束縛された移住者も含まれると国連は定めている。
技能実習制度はほとんどの場合、日本の受け入れ団体と海外の送り出し団体が中間に入って日本で働きたい人を企業とマッチングしている。
法務省によると、15年1月時点で国内受け入れ団体の数は1924で、企業は3万1320。
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